2023/01/10
静岡県に住む外国人に最も伝わるのは日本語!? 「やさしい日本語」のススメ
■静岡県に住む外国人の国籍は120以上 8割以上が非英語圏
グローバル化や少子高齢化などにより、静岡県も外国人の力が不可欠になっている。現在、県内に住む外国人の国籍は120以上の国と地域に上るという。実は、県内の外国人とコミュニケーションを取る時に最も有効なのは日本語。特に、「やさしい日本語」が重要になる。
静岡県によると、県内在住の外国人の国籍はブラジルやフィリピン、ベトナムや中国など、120以上の国と地域に上る。そして、法務省に統計では先に挙げた4か国にペルーと韓国を加えた計6か国で、県全体の83%を占める。外国人の会話は英語と思いがちだが、静岡の外国人の大半が英語を母国語としていないのだ。
一方、県多文化共生課の調査では、県内に住む外国人の59%が日本語を「できる」と答えている。「少しできる」を合わせると84%に達する。お互いに母国語ではない英語で話しかけるより、静岡県は外国人に対して簡単な日本語を使った方が意思の疎通を取りやすいと言える。
難しい表現を簡単で分かりやすい日本語に言い換えるよう配慮したのが「やさしい日本語」。外国人だけでなく、お年寄り、子ども、障がい者との会話も助ける。静岡県は「言葉の壁のない静岡県」を目指し、やさしい日本語の普及に取り組んでいる。
■知っておきたい「やさしい日本語」のポイント
やさしい日本語にする時には、いくつかポイントがある。
①一文を短くする。
②難しい言葉は分かりやすくする。
③細かい部分は気にせず、大切なことを伝える。
「あすは三保松原を案内するよ。三保松原は海岸に3万本の松が生い茂る浮世絵にも描かれる昔ながらの景勝地で大海原の向こうに富士山の雄大な姿がドーンと一望できて、一目見ただけで感動すると思うよ」
例えば、外国人を静岡市の観光スポット三保松原へ案内する上の文は、やさしい日本語にすると次のようになる。
「あすは三保松原に行きましょう。三保松原は海のそばに松がたくさんあります。海の向こうに富士山が見えます。昔の人は絵を描きました。あなたも、すぐ好きになりますよ」
■「やさしい日本語」使っている人11% 知らない人45%
県によると、外国人は日本語で挨拶されるとうれしいと感じるという。また、スマートフォンのアプリで日本語を外国語に翻訳する時も「やさしい日本語を使うと正しい外国語になりやすい」としている。
2020年に県が実施した調査では、やさしい日本語を使っている人は11%、理解している人は17%だった。一方、知らないと回答した人は45%、詳しくは知らない人も25%と認知度に課題がある。
外国人と会話する時に英語や中国語など、日本語以外を使うのはハードルが高い。しかし、やさしい日本語に言い換えるのは決して難しくない。1人1人の意識の持ち方で、県内に住む外国人の手助けにつながる。
(SHIZUOKA Life編集部)