2023/01/11
松本潤に感嘆 初回視聴率には…… 静岡市長が期待する「どうする家康」2つの効果
■松本潤と会話した田辺信宏市長が期待 「家康のイメージ変わるかな」
静岡市が大きな期待を寄せるNHK大河ドラマ「どうする家康」が8日スタートした。ドラマの舞台になっている静岡市の田辺信宏市長は、主演の松本潤さんとの会話から役作りへの意識の高さに感嘆。ただ、初回視聴率が2000年以降の大河ドラマで最低の数字となったことに、定例会見で言葉を詰まらせる場面もあった。
静岡市にとって、2023年の大イベントとなる「どうする家康」の放送が始まった。初回放送日に合わせて、8日には徳川家康とゆかりの深い静岡市、浜松市、愛知県岡崎市の3カ所で出陣式を実施。徳川家康役の松本潤さん、本多忠勝役の山田裕貴さん、榊原康政役の杉野遥亮さんがトークショーで会場を盛り上げた。
8日に行われた静岡市の出陣式、は3300人の観覧者に対し7万6831人の応募があり、その倍率は23.3倍となった。パブリックビューイングも定員1000人の7倍を超える申し込みの中から、抽選で参加者が決まった。10日の定例会見で「大変な熱気で素晴らしい幕開けとなった」と出陣式を振り返った田辺市長は、松本潤さんの直接話をする時間があったという。
「松本潤さんとお話をしていると、静岡に何度も来て役作りしていることをひしひしと感じました。1年間の大河ドラマで、日本人が持っている従来の徳川家康のイメージが変わるかなと。徳川家康も青年時代があり、悩みながら、か弱き小さな少年が成長していったとドラマを通じて日本中に伝われば、タヌキ親父が先行するイメージが変わるのではないかと期待しました」
■経済と教育 「どうする家康」に期待する2つの効果
田辺市長は、「どうする家康」に2つの効果を期待しているという。1つは、経済効果の創出。家康が隠居の地として選んだ駿府城近くに建設した静岡市歴史博物館は、13日にグランドオープンを迎える。27日には大河ドラマ館の開館も決まっている。田辺市長は観光客を増やし、地域経済の活性化につなげる考えだ。
「家康ゆかりの地、三保松原、日本平など静岡市が誇る観光地を周遊してもらう仕掛けをつくっていきます。静岡市内外から訪れる人たちの滞在時間を伸ばして、コロナ禍で落ち込んでいた観光関連の売上を増進したい。地域活性化のために、どうする家康を最大限に活用していきたいと思っています」
もう1つの期待は、故郷を愛する教育的な効果。静岡市の子どもたちが「どうする家康」や歴史博物館をきっかけに、歴史を知り、誇りを持ってもらえるようにしたいと田辺市長は考えている。
「私たちは家康公が愛したまちに住んでいます。先人たちの偉業や歴史の蓄積があったからということを若い人たち、子どもたちに知ってもらいたいです」
大河ドラマの初回放送日に静岡県と愛知県の3市を出演者がリレーした出陣式について、田辺市長は「NHKさんの意気込みを感じました」と笑顔を見せた。しかし、記者から初回の視聴率が2000年以降の大河ドラマで過去最低だったと伝えられると5秒ほど沈黙して苦笑い。そして、ともに「どうする家康」の舞台となっている浜松市の名産とかけて、こう話した。
「視聴率がそういったことであれば、浜松市に寄り添えば、これからうなぎ上りで視聴率が上がっていくことを期待しています」
(SHIZUOKA Life編集部)