生活に新しい一色
一歩踏み出す生き方
静岡のニュース・情報サイト

検索

情報募集

menu

2023/02/12

静岡県内の主要産業の見通し 現状も今後も好調の業界は? 食品、外食、住宅は苦戦

オフィスが集まる静岡市中心部の空撮

■静岡県内15業種を調査 好調は「工作機械」のみ

民間のシンクタンク「静岡経済研究所」が静岡県内主要産業の四半期見通し調査の結果を公表した。物価高騰や解消されていない新型コロナウイルス感染拡大への不安から消費意欲が減退し、外食や住宅といった内需型産業が低迷すると予想。一方、設備需要が高い水準を維持している工作機械は見通しが明るいとしている。

 

静岡経済研究所は、県内15の業種を「好調」、「順調」、「普通」、「低調」、「不調」の5段階で評価した。昨年10~12月期は好調が「工作機械」の1業種、順調は「二輪部品」と「情報サービス」の2業種だった。

 

低調は「食品・飲料」、「建設」、「住宅」、「大型小売店」、「外食」の5業種、残りの7業種は普通となった。不調の業種はなかった。

 

また、今年1~3月期の見通しは、好調と順調の業種に変化なく、建設が低調から普通に一段階上昇となった。静岡経済研究所は好調、順調と評価した業種について次のように分析している。

 

「主力の自動車・二輪車部品や電気部品などの製造業では、比較的堅調な需要に支えられ、供給制約の改善により生産は回復傾向が続くとともに、内外の設備投資需要から工作機械や情報サービスも順調に推移する見通し」

 

■設備需要が高水準 中国のゼロコロナ終了も好材料

15業種のうち、現状も見通しも唯一「好調」となった「工作機械」は、中国のゼロコロナ政策によって主力の外需が減速した。10~12月期の受注額は前年割れとなっているが、省人化やEV化関連の設備需要は国内外ともに底堅く高い水準を維持している。

 

1~3月期は昨年3月が単月で過去2番目の受注額となる好調さだったこともあり、全国も県内も受注額が前年をやや下回る見通しとなっている。ただ、中国のセロコロナ政策終了は好材料で、内需もメインの自動車産業が持ち直すと期待され、堅調な受注環境が続くとみられている。

 

一方、見通しを低調とした業種は物価高騰や長期化する新型コロナ感染拡大の影響を受けると予想されている。静岡経済研究所は、内需型産業は苦戦すると説明した。

 

「食料費や光熱費といった生活必需的な家計支出の増加による消費意欲の減退が強く懸念されるとともに、コロナ感染拡大への不安が消費行動の抑制につながる可能性も無視できず、小売、外食、住宅などの内需型産業では低迷を余儀なくされる模様」

 

1~3月期も低調の見通しとなっている外食産業

■物価高がマイナス要因 住宅や外食は苦戦

住宅は持ち家の大幅減少を受けて、10~12月期の県内の新設住宅着工戸数が低調だった。円安の影響で資材価格が高止まりして住宅価格が上昇し、顧客の買い控え傾向が強まった。地域別では県中部と西部で大幅に減っている。

 

1~3月期は資材価格に加えて、物価高が購入希望者の買い控えにつながると予想されている。また、大手銀行を中心に1月から住宅ローンの固定金利が上昇していることも、押し下げ要因になり得る。

 

外食の10~12月期売上高は低水準だった前年の実績を上回っている。イベント再開などに伴い外出機会が増え、来客数も売上も回復。しかし、忘年会といった法人需要が伸びず、新型コロナ前の水準には及ばなかった。

 

1~3月期の売上高は、低水準だった前年をやや上回る見通しとなっている。だが、食料品価格や光熱費の上昇でコストが上がり、収益が悪化するとみられている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

関連記事