2023/02/23
静岡県で最も有名なローカルタレントが明かす 子育て中に救われた2人の言葉
■25歳の息子持つ久保ひとみさん 初の子育ては戸惑いの連続
静岡県で最も有名なローカルタレントとも言われている久保ひとみさんは53歳となった今も、明るく元気な姿は変わらない。すでに成人している息子を持つ母親であることは、意外と知られていない。今月、静岡県吉田町で子育てをテーマにした講演会に出演。不安の大きかった初めての育児で、保健師と義理の母、2人の言葉が助けられたという。
久保さんには現在25歳の息子がいる。妊娠した当時はテレビやラジオに毎日のように出演し、出産後はすぐに仕事へ復帰した。
リポーターやラジオパーソナリティとしては経験豊富でも、初めての子育ては戸惑いの連続だったという。息子が生後1か月の時、体に湿疹を見つけて夜間の救急診療へ駆け込んだ。
「大病かと思って大慌てでした。病院に行ったら汗疹(あせも)。今は笑い話ですけど、小さなことも気になっていました」
息子の食欲に悩んだこともあった。ミルクを我慢させると号泣するため好きなだけ与えた結果、生後3か月で体重は9キロまで増えた。検診で医師には太り過ぎと言われ、体が重いせいか寝返りやハイハイも遅かった。久保さんは「他の子どもと比べて悩んでばかりでした」と振り返る。
■「息子がミルクを飲み過ぎる」 保健師に相談すると…
自分の子育ては間違っているのではないか。ある日、不安を抑えきれなくなった久保さんは自宅を訪ねてきた保健師に「ミルクを飲む量がすごくて、やめると大泣きするんです」と相談した。
すると、保健師は笑って答えた。「飲みたいだけ飲ませてあげれば良いんですよ。動くようになったら、子どもはやせていくから。何も心配することはないです」この言葉で、久保さんの心は晴れた。
もう1つ、迷いを断ち切れた忘れられない言葉がある。息子は小児喘息を患い、風邪をこじらせると入院していた。仕事で日中は家を空ける時間が長い久保さんは、入退院を繰り返す息子が気掛かりだった。次第に仕事をすることへの罪悪感が大きくなっていったという。
「なかなかぜんそくが治らなかったので、仕事を辞めて息子のそばに居ようと考えるようになりました。育児をしていて一番悩んだかもしれません」
■息子がぜんそくで何度も入退 仕事を辞める相談に義理の母は
久保さんは「息子が元気になるまで仕事を辞めようと思っている」と家族に相談した。その時、意外な言葉が返ってきた。普段の会話が決して多くない、夫の母だった。
「仕事を辞めるのは簡単だけど、続けるのは大変なこと。子どもは、どんどん成長する。成長したら元気になるから心配しなくていい」
久保さんは義理の母の言葉に背中を押され、仕事を続ける決断をした。そして、その言葉通り息子の体は成長とともに丈夫になり、保育園を休まなくなった。久保さんは「今でもお姑さんには感謝しています」と頭を下げる。
子育ては誰にでも不安がある。1人目の子どもであれば、全てが初めての経験となる。1人で考え込んだり、結論を出したりするよりも、周囲への相談が問題解決の糸口になるケースは多い。
(間 淳/Jun Aida)