2023/03/10
レインボーブリッジの“本家” は静岡県の真っ赤な橋 思わず写真撮りたくなる絶景
■川根本町のレインボーブリッジ お台場より3年早く開通
レインボーブリッジと聞くと、東京・お台場の橋を思い浮かべる人が大半を占めるかもしれない。だが、“本家”は静岡県にある。真っ赤な橋にもかかわらず、川根本町の接岨湖(せっそこ)にかかる橋はレインボーブリッジと呼ばれている。思わず写真を撮りたくなる絶景で、間もなく始まる春休みの観光スポットにもオススメだ。
川根本町にある人工湖・接岨湖の上に浮かぶようにポツンとたたずむ大井川鐵道井川線の秘境駅「奥大井湖上駅」。駅の端には、長さ70メートルほどの真っ赤な橋がかかっている。その名前は「レインボーブリッジ」。よく虹がかかることから命名された。
川根本町のレインボーブリッジが開通したのは1990年。お台場の東京港連絡橋、通称レインボーブリッジより3年早い。しかし、“不本意”ながら知名度の差によって「奥大井レインボーブリッジ」と呼ばれることが多い。
知名度では勝てなくても、観光地としての魅力は川根本町に分がある。光の具合によってエメラルドグリーンやミルキーブルーに輝く接岨湖にかかる真っ赤な橋は絶景。特に、奥大井湖上駅の対岸にある展望台からの景色がオススメだ。
■橋の横には遊歩道 湖の上を空中散歩
橋の横には遊歩道があり、湖の上を空中散歩している気分が味わえる。手を伸ばせば乗客とハイタッチできる距離をトロッコ列車が走っていることも特徴。若い世代には、奥大井湖上駅にある幸せを呼ぶ鐘「Happy Happy Bell」と、恋人たちが愛を誓う「愛の鍵箱」が人気となっている。
奥大井湖上駅をはじめ、秘境駅が多い大井川鐵道井川線は、「南アルプスあぷとライン」の愛称で親しまれている。アプト式とは、急な坂を安全に登り降りするためのシステムで、今でも国内でアプト式列車に乗れるのは井川線だけだという。平均時速は20キロ以下と自転車と同じくらいのスピードで、車両のサイズからミニ列車、トロッコ列車とも呼ばれている。
レインボーブリッジの観光は列車に乗ってのんびりと楽しむ人も、近くまで車で向かって歩く人もいる。車で向かう場合は、奥大井湖上駅の駐車場を利用できる。千頭駅方面から「不動トンネル」を抜けて150mほど走ると、右手に鋭角に曲がる道を下る。途中で二股に分かれるところは右側へ進む。駅の対岸にある展望台までは、駐車場から歩いて15分の距離にある。
お台場ほどの認知度はない。だが、一度訪れて他にはない景色を見た人の記憶には、レインボーブリッジ=川根本町と刻まれるだろう。
(鈴木 梨沙/Risa Suzuki)