2023/03/23
非着用は死亡率3倍 4月1日から自転車のヘルメット努力義務 購入の割引きも
■静岡県の自転車死亡事故 64%が頭部に致命傷
来月から自転車を乗る時のヘルメット着用が努力義務になる。静岡県の自転車による死亡事故では、約64%の致命傷が頭部。ヘルメットを着用していないと、事故にあって死亡する確率が3倍に跳ね上がっている。県内ではヘルメット購入に補助金を出す自治体もある。
4月1日から改正道路交通法が施行され、自転車に乗る13歳未満への努力義務としていたヘルメットの着用が全ての利用者に拡大される。事故にあった時に命を守るための対策だが、努力義務のためヘルメットを着用していなくても罰則はない。
静岡県警によると、昨年までの10年間で県内では自転車の事故で168人が死亡している。そのうち、全体の63.7%を占める107人が頭部の怪我が致命傷となっている。胸部の16人、頸部の8人などを大きく上回っている。
死者168人のうち、ヘルメットを着用していたのは10人。判明している範囲でヘルメットを着けていた人の死傷者数は10年間で5842人と、致死率は0.17%となっている。
一方、ヘルメットをかぶらずに死亡した人は158人。死傷者数は3万2261人に上り、致死率は0.49%。ヘルメットを着用しないと、死亡する確率は約3倍に跳ね上がっている。静岡県警は「自転車は不安定な乗り物。過去の統計を見ると、頭部を守る必要があることが分かります。ヘルメットは転倒した場合などに東部の衝撃を軽減する大きな効果があります」と呼び掛けている。
■三島市と藤枝市 ヘルメット購入で最大2000円補助
ヘルメットの着用を進めるため、補助金を出す自治体もある。三島市は市内に住所のある人を対象に、ヘルメットの購入費用を半額、最大2000円補助する。1人1つ、1回限りで、3月1日以降に市内の店舗で購入した場合に限定している。
藤枝市もヘルメットの購入費用として上限2000円を補助する。対象は高校生以上の市民、市外在住で市内の高校に自転車通学する高校生、市外在住で市内への自転車通勤者。4月1日以降、のぼり旗が出ている市の事業に協力する店舗で購入すると、値引きが適用される。
静岡県では2019年10月に、自転車通学する中学生以下にヘルメット着用を義務付ける条例を施行している。努力義務ではあるが、ヘルメット着用の対象を全ての世代に広げ、交通事故による死者が減ることが期待される。
(SHIZUOKA Life編集部)