2023/04/01
新東名の静岡県区間に自動運転車用レーン設置へ 運送業の人手不足解消に期待
■駿河湾沼津~浜松の約100キロ 2024年度から運用開始
新東名高速道路の静岡県内区間で自動運転車用のレーンが設けられる。政府による「デジタル田園都市国家構想実現会議」で明らかにされたもので、2024年度からの開始を目指す。
自動運転車用レーンは駿河湾沼津から浜松まで約100キロの区間で、自動運転トラックを対象にしている。運送業の深刻な人手不足を受けて、深夜の時間帯を想定している。
高速道路上の落下物を検知した情報や、本線車両の合流を支援する情報などを車両に提供して、自動運転を支援するという。政府は2025年度までに全国50か所、2027年度までに全国100か所で自動運転車による移動サービスの提供を目指す。内容の具体化を進め、来年3月に閣議決定する見通しとなっている。
国が進める「デジタル田園都市国家構想」は東京一極集中の是正や多様化を図り、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指している。背景には、テレワークの普及や地方移住への関心の高まりといった社会情勢の変化がある。
デジタルの力を活用して、地方の社会課題に「仕事をつくる」、「人の流れをつくる」、「結婚・出産・子育ての希望を叶える」、「魅力的な地域をつくる」の4つを挙げ、解決に向けて取り組む考えを示している。その基礎条件の1つにデジタルインフラなどのデジタル基盤の整備を掲げている。
■ドローンの物流自動化も開始へ 埼玉県で2024年度までに開始
政府は自動運転車用のレーンに加えて、ドローンを活用した物流の自動化にも取り組む。ドローンの航路を設定することにより、安全かつ高速な運用が可能になるという。2024年度頃までに埼玉県秩父エリアの送電網等で150キロ以上の航路を設定して利用を開始する。
静岡県内の新東名高速では、2019年3月に新静岡ICから森掛川ICまでの約50キロの区間が国内で初めて試験的に最高速度を120キロに引き上げた。静岡県警は安全性に問題がないことを確認。6車線化工事の完了に伴い、2020年12月から御殿場JCTから浜松いなさJCTまでの約145キロを最高速度120キロで正式に運用を開始している。
(SHIZUOKA Life編集部)