2023/04/15
そっくりな見た目に注意 ニラとスイセンの見分け方は? 有毒植物の食中毒
■スイセンは食べると吐き気や嘔吐 ニラとは臭いと大きさに違い
春を迎えて、ハイキングに出掛ける人が増えるシーズンになった。中には、野草や山菜を採る人もいる。注意したいのは有毒植物による食中毒。野菜や山菜と見た目が似ている有毒植物は多く、食中毒も相次いでいる。
今月、福島県いわき市で74歳の女性がスイセンをニラと間違えて食べ、食中毒を起こした。女性は自宅の畑でニラを育てており、栽培中のニラに混ざっていたスイセンを採取し、みそ汁の具材として食べたという。女性は命に別状はなかったが、吐き気や嘔吐を繰り返して病院で診察を受けた。
こうした食中毒が全国で複数発生していることから、静岡県も注意を呼び掛けている。県衛生課によると、食中毒患者の約半数が60歳以上だという。ニラとスイセンの見分け方には、以下のポイントを挙げている。
「葉を揉む(または切る)と、ニラはニンニクのような強い刺激臭がする。一方、スイセンは臭いが弱く青臭い」
東京都健康安全研究センターは臭いに加えて、スイセンはニラに比べて葉の幅が広く、草丈が高く、葉が厚いといった見た目の違いも見分け方に挙げている。ニラの中にスイセンが混ざっているケースがあるため「他より際立って大きいものは採るのをやめましょう」と注意喚起している。
■静岡県でも有毒植物の被害 死亡した人も
静岡県でも2015年にスイセンとニラを間違えて食べた食中毒が発生している。2018年には、スイセンとニンニクを間違えた事案もある。スイセンの中毒症状は、食後30分以内に吐き気や嘔吐、下痢や頭痛、昏睡や低体温などが表れるという。
有毒植物による食中毒では死者も出ている。2014年にはギョウジャニンニクと間違えてイヌサフランを食べた人が死亡。それ以前には、グロリオサの球根を山芋と間違えて食べたことで死亡した例もある。
静岡県は間違いなく食用と判断できない植物は「採らない」、「食べない」、「売らない」、「人にあげない」と呼び掛けている。また、体調が悪くなったら、すぐに医師の診断を受けるよう勧めている。
(SHIZUOKA Life編集部)