2023/04/17
静岡県の婚活事業 1年で夫婦14組 加速する非婚化と晩婚化 未婚率の高い市町は?
■静岡県のマッチングサービス 最短98日で結婚
静岡県は事業開始から1年が経ったマッチングサービスで、14組の夫婦が誕生したと発表した。少子化対策の一環として結婚のきっかけをつくり、晩婚化や未婚率の改善を目指している。今や、出会いの場を行政がサポートする時代となっている。
県は昨年4月、結婚希望者を支援する「ふじのくに出会いサポートセンター」でマッチングサービス「しずおかマリッジ」を開始した。会員登録して条件に合った異性をスマートフォンで検索し、会いたい相手が見つかったらお見合いを申し込むシステム。出会いの場を提供するだけではなく、結婚相談や婚活イベントも行われている。
登録の条件は20歳以上で、静岡県内在住・在勤または将来的に静岡県へ移住する人としている。料金は1年間の会員が1万円、2年間は1万6000円。開始から1年で約1900人が入会している。
実際に結婚したカップルも14組誕生した。年代は男性が30代6人、40代7人、50代1人。女性は20代1人、30代8人、40代5人となっている。結婚までの交際期間は最短が98日、最長は310日だった。
■生涯未婚率は20年で2倍 男性25%、女性16%
税金を投入して、行政が結婚をサポートすることに対しては賛否両論ある。背景にあるのは歯止めがかからない少子高齢化。そして、その要因となっている晩婚化と未婚率の上昇だ。
50歳までに一度も結婚経験がない人の割合を示す「生涯未婚率」は、2020年の全国平均で男性は25.7%、女性は16.4%に上っている。男女とも20年前から2倍に増えている。
都道府県別で生涯未婚率が最も高いのは、男性が岩手県の28.9%、女性は高知県の20.3%。静岡県の生涯未婚率は男性が26.9%で11番目、女性は14.7%で32番目となっている。全国的に見て、極端に未婚率が高いわけではないが、上昇傾向にある。
初婚の年齢も遅くなっている。2021年は男性が30.8歳(全国平均31.0歳)、女性は29.2歳(全国平均29.4歳)で、男女とも20年前より2歳以上年齢を重ねている。
■市町別未婚率 男女とも低い自治体トップ3は同じ
こうしたデータから、行政は結婚する30歳前後の世代を増やすことが少子化対策につながると考えている。各自治体が出産サポートや子育て支援を進めているが、地域によって未婚率に大きな差がある。
<市町別男性未婚率(30~34歳)>
①長泉町 38.5%
②袋井市 44.0%
③菊川市 44.7%
:
㉝川根本町 67.0%
㉞西伊豆町 68.9%
㉟松崎町 69.6%
<市町別女性未婚率(25~29歳)>
①菊川市 50.2%
②袋井市 50.9%
③長泉町 51.0%
:
㉝東伊豆町 74.3%
㉞川根本町 76.8%
㉟熱海市 77.2%
結婚は強制するものではなく、個人が自由に選択すれば良い。県が婚活をサポートすることへの疑問も少なくない。ただ、未婚率が進めば少子高齢化が加速する可能性が高く、それに伴う現役世代への影響は避けられない。
(SHIZUOKA Life編集部)