2023/04/28
どうする家康で熱い静岡県 静岡市と浜松市だけじゃない 日本一の港町にもゆかりの地
■家康関連スポット16か所 焼津市観光協会がマップ作成
徳川家康ゆかりの地は静岡市と浜松市だけではない。タレント松本潤さん主演で話題のNHK大河ドラマ「どうする家康」で、家康と関係の深い観光地が注目されている。ドラマの舞台にもなっている静岡市と浜松市はPRに力を入れているが、静岡県内には他にも家康関連のスポットがたくさんある。
家康が晩年を過ごした駿府城の遺構がある静岡市は、大河ドラマ館をオープンさせるなど家康のまちを全面的に押し出している。その静岡市と隣接するのが焼津市。マグロやカツオといった海産物が有名な港町だが、家康ゆかりのスポットがある。県内外の人に知ってもらおうと、焼津市観光協会は「徳川家康ゆかりの史跡マップ」を作成した。
例えば、1600年以上の歴史を持つと言われている焼津神社の本殿は、1603年に家康によって建てられた。焼津神社によると、家康は藤枝市にある田中城を出て焼津の浜から出港し、静岡市の久能山で鷹狩に没頭した。海上護衛の際に船は速度が必要だったことから、通常は軍事力抑止のために禁止されている「八丁魯(はっちょうろ)」を焼津の船には特別に許可していたという。
家康は神社に社領を寄進し、以後の歴代将軍から、この社領を保証する朱印状が発せられていたことからも、焼津神社と徳川家に深い関わりがあったことが分かる。徳川家の武家の厚い信仰心は今も地元で受け継がれ、漁師の人たちには心の支えとして崇められている。
■家康が勝利祈願 しめ縄張った「旗かけ石」
石脇浅間神社前に並ぶ「旗かけ石」も家康と関係が深い。しめ縄を張った2つの岩は、当目合戦の際に家康が勝利を祈願したとされている。また、天下統一後は鷹狩りの時に、この石に旗をかけたと伝えられている。
旗かけ石は、家康が生まれる前から有名だったとも言われている。この石の前にある道は、奈良時代に国道となっており、山に向かう旅人は道中の無事を石に祈っていたという。
焼津市観光協会が作成した「徳川家康ゆかりの史跡マップ」には他にも、家康が武田の軍勢に追われた時、身を隠したという逸話が残る「御座穴」。家康が武田勢に敗れて逃げた時、かくまってくれた僧へのお礼として建立した「罪切地蔵尊」や、家康が大井川通行の際に祈願した「大井八幡宮」など、計16か所が示されている。
焼津市にある家康ゆかりの観光地は、日本一の水揚げ額を誇る焼津港に近い。家康の足跡をたどりながら、地元自慢の海産物を味わう旅はオススメだ。
(SHIZUOKA Life編集部)