2023/05/11
卵不足続く価格は昨年の1.7倍 外食大手3割でメニュー休止 影響二極化の傾向も
■サイゼリヤや吉野家 チェーン店で卵不足の影響
鳥インフルエンザ感染拡大による卵不足と価格の高騰が続いている。上場する大手100社のうち、約3割を占める29社が卵メニューの休止や休売に踏み切っている。静岡県内で店舗を展開するファミリーレストランなどにも影響が出ている。
民間の信用調査会社「帝国データバンク」によると、上場する外食大手100社のうち、今年に入ってから卵メニューを休止や休売している企業は少なくとも29社(5月8日時点)に上っている。先月から新たに1社増えた。休止を検討している企業も3社ある。
卵不足の影響を受けているのは、ファミレスを中心にした価格がリーズナブルなチェーン店に集中しているという。例えば、静岡県内に25店舗あるサイゼリヤは「煉獄のたまご」の販売を休止。ランチの「オニオンソースのハンバーグ」と「デミグラスソースのハンバーグ」は目玉焼きをホウレンソウに変更している。
静岡県内の42店舗を含む全国で1655店舗を展開する牛丼チェーン店「吉野家」は昨年に続いて期間限定で親子丼の販売を計画していた、卵の確保が難しくなり断念した。代わりに、卵を使わない焦がしねぎ焼き鳥丼を提供している。
■4月の鶏卵価格は1年前の1.7倍 飲食店は二極化
JA全農たまごによると、4月の鶏卵1キロ(東京Mサイズ)の卸売価格は350円で、前年同月の1.7倍となっている。卵の供給不足や価格高騰の動きは長引くとみられ、飲食店には代替メニュー開発の動きが広がっている。
ただ、卵メニューへの依存度が低い居酒屋などの業態では卵の提供が続いている。さらに、業態によっては卵メニューの値下げや販売拡大に踏み切るケースもあるという。調達ルートや在庫量で、「エッグショック」は二極化していると帝国データバンクは分析している。
(SHIZUOKA Life編集部)