2023/05/21
異性との会話許さないのは暴力? 家事と育児の時間は4倍差 男女の違いを調査
■週平均1日当たりの家事と育児 男性は3時間弱、女性は12時間超
男性が家事と育児にかける時間は1日あたり2時間50分で、女性の4分の1と大きな差があった。静岡県が公表した昨年度の「県男女共同参画白書」で明らかになった。他の異性と会話を許さない行為が暴力に当たるのかという認識は男性と女性で大きな差がある。
静岡県は、毎年まとめている「県男女共同参画白書」を公表した。今回は初めて、男性の家事と育児の時間を調査する項目が加わった。週平均1日当たりの家事の時間は55分で、育児は1時間55分。計2時間50分となった。
一方、女性は家事が4時間36分で、育児が7時間29分だった。合計時間は12時間5分で、男性の4倍以上となっている。共働きの家庭が一般的になり、男性の育児参加が声高に叫ばれている中、男女の差は依然として大きい実態が明らかになった形だ。県は2025年度までに、男性が家事と育児にあてる時間を1日平均3時間半に増やすことを目標としている。
「家庭生活において男女が平等か」という質問に対しても、男女差が大きかった。「男性が非常に優遇」と回答した男性は5.2%だったのに対し、女性は13.5%を占めた。また、「どちらかと言えば男性が優遇」は女性が50.2%で、男性の39.5%を大幅に上回った。女性の約3人に2人は、家庭生活で男性が優遇されていると感じている結果となった。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という固定的な男女の役割分担に関しては、反対している男性の割合が高い。「反対」または「どちらかといえば反対」を合わせた割合は66.9%だった。女性の78.2%とほどではなかったが、年々増加している。
■異性との会話許さないのは暴力? 男女の回答に8.4ポイント差
また、白書ではドメスティック・バイオレンス(DV)に関する男女の認識も調査した。「他の異性と会話を許さない行為が暴力に当たるか」という問いに対し、「どんな場合でも暴力に当たる」と答えた男性は43.6%で、女性は58.5%。「暴力に当たる場合も、そうでない場合もある」は男性が31.0%で、女性が24.5%だった。全体で8割近くが暴力と判断している。
DVは怪我をさせるなど身体的な暴力だけでなく、威嚇や無視、行動の制限や身体的な苦痛も含まれる。交際中の男女間で起こる暴力は「デートDV」と呼ばれ、女性の約5人に1人が経験しているという調査結果もある。静岡県ではDVの相談窓口を設けている。
静岡県のDV相談窓口
https://www.pref.shizuoka.jp/kodomokyoiku/kodomokosodate/dv/1040711/1022300.html
(SHIZUOKA Life編集部)