2023/07/03
世代交代進まず… 静岡県の社長の平均年齢は? 30歳未満は全体のわずか0.2%
■静岡の社長は平均60.9歳 全国平均上回り過去最高更新
日本企業の後継者不足は社会問題となっている。静岡県でも世代交代が進んでおらず、社長の平均年齢は全国平均の60.4歳より高い過去最高の60.9歳となった。昨年度に社長を交代した企業の割合は3.57%で全国平均を下回り、30歳未満の社長は全体の0.2%しかいない。
民間の信用調査会社「帝国データバンク」によると、昨年度、静岡県内にある企業の社長の平均年齢は60.9歳だった。前年度から0.2歳上昇し、2000年時点からは4.1歳高くなっている。
社長を退く年齢の平均は70.1歳で、昨年度に社長を交代した企業の割合は3.57%。全国平均は、それぞれ68.8歳と3.82%となり、他の自治体より静岡県は世代交代が進んでいない結果が明らかになった。
社長の年代別構成比を見ると、50歳以上が全体の82.2%を占めている。5年前から3.1ポイント上昇している。一方、30代は2.5%、30歳未満は0.2%と極めて低い。
業種別では「不動産」の社長が最も年齢が高く、平均で64.0歳だった。80歳以上の社長も全体の10.9%に上っている。最も平均年齢が低かったのは「サービス業」の59.9歳で、唯一の50代となった。
■全国的には東北地方が高齢化 最も若いのは三重県
社長の高齢化は全国的に進んでいて、前年度から平均年齢が下がった都道府県は1つもなかった。特に東北地方は平均年齢が高く、6県すべてが60歳を上回った。秋田県62.4歳、岩手県62.3歳、青森県62.1歳と全国の上位3つを独占する形となった。
平均年齢が最も低かったのは三重県で59.1歳。次いで、沖縄県と滋賀県の59.4歳となった。帝国データバンクは今回の結果を次のように分析している。
「社長の高齢化に歯止めがかからない。また、社長交代時の平均年齢が70歳を超えている。社長が高齢化して事業承継への着手が遅れた場合、社長の高齢リスクによって承継が間に合わないケースや、十分な引継ぎができず承継後に経営が行き詰まる懸念もありそうだ」
今回の調査は全国の約147万社が収録されている企業概要ファイル「COSMOS2」から企業の社長に関するデータを抽出し、帝国バンクが集計・分析している。
(SHIZUOKA Life編集部)