2023/07/10
静岡県側ルートも開通 富士山登山者大幅増の見込み 混雑予想と予測される事態とは?
■県などが運用「混雑予想カレンダー」 日にち別4段階で色分け
富士山は7月10日に静岡県側のルートが開通した。新型コロナウイルス感染拡大による行動制限がなく、世界遺産登録から10周年となる富士山には今シーズン、昨年を大幅に上回る登山者が予想される。山頂付近の混雑を避けるため、静岡県などは「混雑予想カレンダー」の活用を勧めている。
富士山は本格的な夏山シーズンが到来した。7月1日の山梨県側・吉田ルートに続き、静岡県側の御殿場、須走、富士宮の3ルートも開通した。
今年は世界遺産登録10周年で注目が高まっている富士山。新型コロナによる行動制限もなくなり、昨年と比べて登山者が大幅に増えるとみられている。そこで、静岡県などが活用を呼び掛けているのが「富士山混雑予想カレンダー」だ。
「混雑予想カレンダー」は静岡県、山梨県、環境省富士箱根伊豆国立公園管理事務所で構成する協議会が運用しており、日にち別に混雑予想を「赤」、「オレンジ」、「黄」、「白」の4段階で色分けしている。
■混雑日で予想される状況は? 吉田ルートは「覚悟必要」
例えば、山の日の8月11日から14日までは「特に混雑」が予想される「赤」となっている。7月の平日は、10日の静岡県側開山日も含めて、ほとんどが「平常」の「白」で示されている。混雑日は、それぞれのルートで以下のような状況が予想されるという。
<吉田ルート>
・時間帯によって七合目から山頂にかけて長い区間に渡って混雑する可能性
・山頂でご来光を迎えるためには、夜間に並びながら登山する覚悟が必要
・夜間は八合目から頂上に到着するまで、日中の2倍の時間
<須走ルート>
・吉田ルートとの合流後は急に人の数が多くなる
<御殿場ルート>
・混雑日でも人の集中はほとんどない
<富士宮ルート>
・吉田ルートほどではないが、ご来光の時間は山頂直下で混雑
・夜間は八合目から頂上に到着するまで日中の1.5倍の時間
■山頂以外でも楽しめるご来光 コロナ対策は一部山小屋で継続
登山者は週末と祝日、8月のお盆の時期に集中する傾向がある。特に、山頂でのご来光を目当てにする登山者が多いため、朝3時から5時頃の八合目から頂上までが混雑するという。静岡県などは日付や時間をずらして混雑を避ける計画や山頂以外でご来光を見ることを勧めている。
吉田ルートでは五合目より上、富士宮ルートでは新七合目から上で、ご来光が見える。須走ルートや御殿場ルートは比較的、ルート上のどこからでも見えるという。
新型コロナ対策については、一部の山小屋などでマスクの着用や消毒を求めている。昨年まで実施されていた登山者への検温と、体調に問題がないと判断する目安としていたリストバンドの配布は行わない。
(SHIZUOKA Life編集部)