2023/07/16
まるで時代劇の世界 ギネス認定された世界一長い木造歩道橋 ドラマのロケ地にも
■島田市の蓬莱橋 厄払いや長寿スポットでも人気
新型コロナウイルス感染拡大による行動規制が緩和され、観光地には人手が戻ってきている。映画やドラマのロケ地にもなっている静岡県島田市にある蓬萊橋(ほうらいばし)には県外、海外からの観光客が目立つ。
長さ897.4メートル。大井川にかかる蓬萊橋は世界一長い木造歩道橋としてギネス社から認定を受けている。映画やドラマにも度々登場し、その長さが語呂合わせで「厄なし」となっていることから、厄払いや長寿のパワースポットでも知られている。また、「長い木の橋」は「長生きの橋」と置き換えられることも後利益スポットの理由となっている。
蓬萊橋は、大型スーパーや家電量販店が集まる場所から200メートルほどしか離れていない。島田市民の買い物エリアから急に、時代劇の世界にタイムスリップしたような感覚になる。
蓬萊橋がつくられたのは明治時代の1879年。橋の下を流れる大井川の右岸にある牧之原台地は全国でも有数の茶園で、対岸の島田宿の方へ食料品や生活用品を買い出しに行くため、蓬萊橋がかけられた。大井川は流れが激しく小舟で渡るのは危険だったという。
■橋から富士山望む景色 ハイキングコースも
蓬萊橋という名称は、静岡藩主となった徳川亀之助が1870年に牧之原を訪問した時、開拓する幕臣たちに「ここは蓬萊、宝の山」と激励したことに由来すると言われている。
天気に恵まれれば、蓬萊橋からは富士山も見える。開放的な景色を楽しみながら、橋を渡り切った先で迎えてくれるのが「縁結び地蔵」。さらに、奥へ進むと現れるのが2つの鐘が現れる。旅行者たちは「愛和の鐘」で家族円満、「長寿の鐘」では健康や長生きを祈願しながら鐘を鳴らす。
ここから1本道の山道はハイキングコースになっている。不毛の地だった牧之原を開拓して大茶園を築いた中條金之助景昭(ちゅうじょうきんのすけかげあき)の像や、この付近では最大の古墳「愛宕塚古墳」がある。1周約90分のコースになっている。
■橋のたもとに茶屋 旨味を凝縮したお茶やソフトクリーム
観光や散歩を満喫した後は、橋のたもとにある「897.4(やくなし)茶屋」で一息つく人が多い。茶屋の自慢は、その日の状態を見て選んだ4種類の茶葉から選べるお茶。ドリップコーヒーのような抽出方法で本来の味を凝縮し、深みのある1杯となっている。
他にも、暑い時期にはぴったりな煎茶や緑茶のソフトクリーム、地元の野菜と果物を使ったジェラートも人気。島田市のアンテナショップの役割も担っており、お茶を使ったチョコレートやジャム、お茶に合う銘菓も揃っている。
公共交通機関を利用して蓬莱橋を訪れる場合は、JR島田駅から徒歩20分。車で向かう場合は、カーナビには「島田市南2-22-14」と入力するとスムーズに到着できる。併設されている無料駐車場を利用できる。橋を渡る料金は大人100円、小学生10円となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)
【施設名】
蓬莱橋(ほうらいばし)
【場所】
静岡県島田市南2丁目地先
【営業時間】
終日(天候によって通行不可)
【定休日】
無休
【交通アクセス】
・東名高速・吉田ICから約15分
・新東名高速・島田金谷ICから約20分
・JR島田駅から徒歩20分
【駐車場】
96台(無料)
【外部サイト】
島田市公式HP
蓬莱橋の概要 – 島田市公式ホームページ (city.shimada.shizuoka.jp)