2023/07/25
抱っこし過ぎはNG? かつての常識は今の非常識 子育ての衝突避ける「祖父母手帳」
■抱っこし過ぎは抱きぐせ? 非常識な育児の代表例
共働き世帯の増加などによって、祖父母に子どもの面倒を見てもらう「孫育て」が増えている。子育てをするママやパパにとって、じいじ、ばあばの存在は心強い。しかし、時代が進むにつれてアップデートされてきた“子育てに関する常識”の違いで衝突することも少なくないという。
厚生労働省の調査によると、子育てをしながら働いている母親の割合は75%を超えている。働き方が時代とともに変わるように、子育ての仕方も変化している。「赤ちゃんを抱っこしすぎると抱きぐせがつく」、「ミルクよりも母乳の方が、栄養価が高い」、「水分補給のために白湯を飲ませる」。かつての常識は、今の時代では非常識な代表例となっている。
配偶者のいる20~49歳を対象にした内閣府の調査では、祖父母の育児や家事の手助けが望ましいかとの質問に、8割強が「望ましい」と回答している。親世代が祖父母の力を借りたいことはデータでも裏付けされていて、“子育ての常識”をめぐる世代間ギャップ解消に期待する人もそれだけ多いと言える。
■三島市がいち早く導入 「祖父母手帳」の内容は?
そうしたトラブルや世代間の意見衝突を解消できればと、自治体が発行しているのが「祖父母手帳」だ。静岡県内で最も早く、2018年に「祖父母手帳」を発行した三島市では、市役所や老人福祉センターなどで配布するほか、市のホームページでも公開している。
手帳には祖父母に向けて、「子育ての主役はパパ・ママ。祖父母はサポーターになりましょう」、「手、口、お金は出しすぎないように」といった記載もある。そして、昔と今で異なる“子育ての常識”を分かりやすく解説している。「抱っこしすぎると抱きぐせがつく」のではなく、今は「赤ちゃんの安心につながるので、泣いた際には可能なら抱っこします」と、互いの理解を深められる内容となっている。
子どもは親にとっても、祖父母にとっても、可愛くて仕方がない存在だ。今の時代の“子育ての常識”を「祖父母手帳」で共有すれば、世代間のトラブルを回避する手助けになる。
(SHIZUOKA Life編集部)