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2023/07/26

浜松市民は常識 30分間泳ぎ続ける小学生の伝統行事 合格率も参加率も8割超

浜松市で伝統となっている30分間回泳

■1966年にスタート「30分間回泳」 これまで合格者30万人

小学校は夏休みに入った。この時期、浜松市では50年以上続いている伝統行事がある。「30分間回泳」。小学5、6年生を対象に、プールで足をつかずに30分間泳ぎ切るものだ。これまでに約30万人が合格しているという。

 

浜松市で生まれ育った人なら知っている「30分間回泳」は1966年に始まった。浜松市によると、海や川、湖に囲まれた浜松市では川遊びをする子どもが多く、水難事故を防ぐための泳ぎを身に付けるために始まった。

 

小学5、6年生が大きなプールに入り、立ったり壁につかまったりせず、反時計回りで30分間泳いだり浮いたりする。学校の授業などで練習し、夏休み期間に入った7月下旬には本番を迎える。

 

今までに約30万人が合格し、合格率は約8割に上るという。参加は強制ではなく、各学校が児童に参加確認書を配って参加か不参加か、いずれかに丸をつけて提出してもらう。希望性であるが、8割以上が参加している。

 

■万が一の水難事故を防ぐ 泳げる自信と慌てない心構え

いきなりの挑戦となれば、30分間泳ぎ続けるのは大人でも簡単ではない。浜松市では学習指導要領に沿って、1、2年生では水に慣れることから始めて、水の中に潜ったり、浮いたりする練習をする。3、4年生からクロールや平泳ぎといった泳ぎ方を学び、長い時間泳ぐ方法を身に付けていく。

 

5年生からは30分回泳を意識した練習時間も設けられる。最初は数十秒でプールに足をついていた児童も繰り返し練習すると、5分、10分と記録が伸びていく。30分間回泳合格という目標があるため、夏休みにプールへ行ったり、スイミングスクールに通ったり、積極的に練習する児童が多いという。

 

30分間回泳ではクロール、平泳ぎを中心にして泳ぎ続けることが理想とされる。ただ、水の中に潜る必要はない。仰向けで浮いたり、犬かきをしたりする方法もある。ただ、周りの人に迷惑をかけないなど、安全面に注意するルールが設けられている。

 

今年の夏も全国で水難事故が相次いでいる。川や海は遊ぶ楽しさがある一方、危険もある。30分回泳は万が一に備えた泳ぎの技術に加えて、慌てずに対応する心構えや泳ぎ続ける自信を身に付ける目的もある。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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