2023/08/07
ビッグモーター関連企業は全国に410社 売上高は224億円 避けられない影響
■全国46都道府県で263店舗展開 静岡県にも8店舗
静岡県内にも店舗を構える中古車販売大手のビッグモーターによる修理代金の水増し請求問題は、関連企業にも大きな影響を及ぶとみられている。直接または間接的に取引のある企業は全国に410社あると推計され、その売上高は224億円に上る。
公式ホームページによると、ビッグモーターは島根県を除く全国46都道府県で263店舗を展開し、静岡県にも東は沼津市、西は浜松市まで8店舗を置いている。民間の調査会社「帝国データバンク」の調査では、ビッグモーターを頂点にしたサプライチェーン企業(売上高の1%以上を依存している企業)は全国で410社に上る。直接取引のある企業は156社で、ビッグモーターがもたらす売上高の合計は187億2000万円になるという。
さらに、2次取引先が229社で35億8000万円、3次取引先は25社で1億円と推計されている。サプライチェーン企業の売上高を合計すると224億円に達する。
業種別では「自動車部分品・付属品卸売」が40社で最も多い。次いで、「建築工事業」が22社、「内装工事業」が20社となっている。その他にも、「土木工事業」や「一般貨物自動車運送業」、「受託開発ソフトウェア業」や「鉄鋼工事業」など多岐に渡る。
■多店舗展開の特徴 サプライチェーンの4割は建設業
帝国データバンクは、ビッグモーターが全国に260店舗以上と多店舗展開の戦略を採っていることから、建設業がサプライチェーン全体の4割以上を占める特徴が表れたと分析している。
ビッグモーターは水増し請求の発覚以降、連日のように報道されている。不正疑惑が次々と指摘され、辞任した前社長の記者会見も反発を強める原因となっている。静岡県内の店舗でも、県道沿いの木の一部がなくなっていたことから、県が土壌調査を実施している。
採取した土に含まれる成分などを解析し、8月末に出る予定の結果に違法性が確認されれば警察に被害届を提出するという。同様の問題は全国にあるビッグモーターの店舗で起きており、業績悪化は免れない。サプライチェーン企業への影響も小さくない。
(SHIZUOKA Life編集部)