2023/08/09
東海道新幹線のワゴン販売終了へ 車内のモバイルオーダー、ホームの自販機拡充へ移行
■ワゴン販売10月31日まで 15年前から売上高45%減少
JR東海は東海道新幹線で展開しているワゴン販売を10月末で終了する。背景には車内販売の売上減少がある。新たにグリーン車を対象に座席から飲み物や食事をモバイル端末で注文するサービスや、ホームの自動販売機拡充を進める。
JR東海は8日、「のぞみ」と「ひかり」で飲み物や食べ物、お土産を提供するワゴン販売を10月31日で終了すると発表した。すでに「こだま」ではワゴン販売を終えており、1964年の新幹線開業以来続いていたサービスが幕を下ろす。
ワゴン販売の終了は、売上が大幅に減っていることが要因となった。15年前と比較して、売上高は45%減少。新幹線停車駅の構内や周辺に店が増え、食べ物や飲み物を購入してから乗車する人が増加している。
JR東海は新たなサービスとして、グリーン車の利用客を対象にしたサポートコールとモバイルオーダーを開始する。所有しているモバイル端末からグリーン車の各座席に設置されたQRコードを読み取ると、乗務員を呼んで相談や質問ができる。また、食事や飲み物を注文して、席まで直接届けてもらえる。「こだま」はサービス対象外となっている。
■人気のコーヒーやアイス 駅ホームの自販機拡充で対応へ
車内サービスの内容変更により車内販売する人員は現在の3人から2人に減らし、経費削減につながるという。ドリップコーヒーやアイスクリームといったワゴン販売でニーズの高かった商品は今後、「のぞみ」停車駅のホームで自動販売機を拡充して要望に応えるという。自動販売機の具体的な設置場所は、JR東海のホームページで順次、案内図が公開される。
JR東海はワゴン販売の終了と新たなサービス展開について「飲食の車内持ち込みの増加、静粛な社内環境を求めるご意見、また将来に渡る労働力不足への対応を踏まえ、新しい形態のサービスを導入します。普通車の車内販売は取りやめとなりますが、ホーム上などの自動販売機を拡充するなど、駅における飲食の提供を強化します。新しい車内サービスにより、さらに快適な車内空間の提供を目指してまいります」とコメントしている。
(SHIZUOKA Life編集部)