2023/08/13
猫がトイレに失敗する理由は? 設置場所や砂をチェック 飼い主の考え方と真逆の可能性も
■トイレの好みは「お猫さまにご意見を伺う」
トイレは人間の都合に合わせてもらう気持ちが大切になる。静岡市で猫カフェ「猫宿町」を運営する獣医師の大石将司さんは、飼い猫がトイレに失敗するのはトイレを置く位置や砂に問題があると指摘する。“お猫さま”の好みをお伺いする必要があるという。
猫用のトイレは年々、改良されている。ただ、人間が気に入るトイレと猫の好みが同じとは限らない。むしろ、逆になるケースが多い。「猫宿町」を運営する「あん動物病院」の大石将司院長は、こう話す。
「猫は犬と違って、しつけができる動物ではありません。トイレはトレーニングというより、気に入ってもらえれば失敗しません。お猫さまに、ご意見を伺うという感じです」
高性能な猫用トイレの中には、ドーム状で砂が外に飛び散らず、臭いも部屋に広がらないタイプがある。人間には好都合だが、猫にとっては仮設トイレのように感じるという。
■トイレの数は飼い猫の数プラス1つ 砂は鉱物系がオススメ
猫は本来、開放感のある広い場所で、砂がたくさんあるところをトイレに好む。だが、ペットで飼う時に猫の希望通りのトイレを用意するのは難しく、人間の都合に“妥協”してもらっているのだ。大石さんは言う。
「猫がトイレに失敗するのは、猫が悪いというより、人間の都合で用意されたトイレを気に入ってないと考えた方が良いと思います。トイレのタイプや場所、砂を変えたり、複数の種類を用意したりして、猫の好みをチェックすると良いです」
トイレは、飼っている猫の数プラス1つが基本となる。2匹飼っている場合は、トイレを3つ設置する。猫が落ち着いて用を足せるよう、人の通り道には置かず、静かな場所を選ぶ。
砂も猫の好みがある。砂場の砂のような鉱物系が好きな猫が多いが、部屋が砂だらけになってしまう。粒が大きい方が掃除をしやすいため、はじめは鉱物系の砂を使って、少しずつ大粒の砂を混ぜていくと猫は慣れてくるという。
トイレの位置や砂を色々と試しても、例えばフカフカな布団の上に用を足されてしまう場合、その布団は撤去するしかない。トイレの決定権は飼い主にはない。猫さまが持っているのだ。
(SHIZUOKA Life編集部)