2023/08/15
好評の昨年に続き第2弾 市の魅力発信「焼津王カード」 4枚コンプリートすると…
■焼津市の若手職員が企画 市内4か所でカード配布
オリジナルカードで、まちの魅力を市外へ発信する。静岡県焼津市が「焼津王カード」の配布を始めた。好評だった昨年に続く第2弾で、4枚のカードをコンプリートすると、5枚目のシークレットカードをゲットできる。さらに、SNSで投稿すれば市内の温泉で使えるクーポンも受け取れる。
マンホールカードやダムカードなど、自治体が作成するカードは子どもから大人までカードコレクターの関心を集めている。焼津市では入庁2、3年目の職員で構成する班による取り組みの1つとして、8月1日から「焼津王カード」を配布している。班のリーダーを務める入庁3年目、商工観光課の石間璃子さんが狙いを説明する。
「焼津の観光資源をカードにしたら知ってもらえるきっかけになると思いました。昨年はカードを集めることが好きな方への配布を想定していましたが、実際はお子さんや家族連れが多かったので、今年はファミリー層を意識した内容にしました」
焼津王カードは焼津市内の魅力的なスポットを紹介するもので、施設の説明が記されている。カードは光に反射するホログラム仕様。今回カードの配布スポットになっているのは「ターントクルこども館」、「焼津市防災センター(航空自衛隊静浜基地カード)」、「深層水ミュージアム」、「焼津小泉八雲記念館」の4か所で、それぞれの施設を訪れるとカードを手にできる。
■4枚集めるとシークレットカード 温泉施設で使えるクーポンも
そして、4か所全てでカードをゲットして焼津市観光協会へ行くと、5枚目の「シークレットカード」を入手できる。カードをコンプリートしてSNSで投稿すれば、市内3か所の温泉施設で使用できるドリンクの無料クーポン(1枚で3人まで利用可)がもらえるという。SNSでの発信では、シークレットカードに触れる内容や写真は避けるよう協力が呼び掛けられている。
焼津王カードは昨年同様、各スポットに500枚が用意されている。配布開始から1週間で、ターントクルこども館では300枚以上がなくなり、すでにシークレットカードを手にした人も90人ほどいる。
昨年の第1弾は市内7か所にカードのスポットを設けた。4か所で500枚全てがなくなり、残りの3か所でも400枚以上を配布した。7枚集めて8枚目のシークレットカードを入手したのは345人に上った。昨年も焼津王カードを担当する班に所属した石間さんは「反響は大きくて、思った以上に楽しんでいただけたと思います」と手応えを感じた。
一方、昨年は課題も残った。配布スポットの1つ、花沢の里はスタッフが常駐している観光地ではないため、カードは近くの公民館で配布。公民館でカードだけを受け取って、花沢の里を訪れない人がいたという。
■昨年から改善 焼津市外の観光客も1日で周遊
また、市内を広く知ってもらうため、カードのスポットが広範囲に渡った。1日で全てを回るには、それぞれのスポットの滞在時間が短くなり、魅力が十分に伝わらない。そこで、今年は距離的に離れていない4か所に絞った。石間さんは、こう説明する。
「カードの目的は焼津市の魅力を発信することなので、市外の方により多くカードを集めてほしい思いがあります。今年は、焼津市外の方でも回りやすいスポットになっています。カードの配布だけで終わらず、遊んだり、見学したりできる体験型の施設を選びました」
石間さんたちの班はチラシを配るなどして、焼津カードを広報した。ただ、焼津市外に直接的にPRするのは難しい。焼津市外の観光客がSNSを通じて情報発信することで焼津の魅力が全国に広がるよう、第2弾の今年度は1日でカードをコンプリートしやすい工夫を凝らしている。
(間 淳/Jun Aida)