2023/08/20
静岡県と浜松県合併 8月21日は県民の日 休日にする方法は? 各地の施設が無料
■1876年8月21日 現在の静岡県が誕生
静岡県では8月21日が「県民の日」に制定されている。1876年の8月21日に静岡県と浜松県が合併し、現在の形でスタートした。県民からは休日にすることを望む声が出ているが、そのハードルは高い。県内では各地でイベントが開催され、NHK大河ドラマ「どうする家康」で注目されている大河ドラマ館など入場無料にする施設も多い。
県民の日は1996年に県の条例で制定された。この年は、静岡県と浜松県が合併して120周年の節目だった。静岡県への関心と理解を深め、誇りに思う心と一体感をはぐくむ機会となるよう、現在の静岡県が誕生した8月21日を県民の日に定めた。
県によると、現在の静岡県にあたる地域は江戸時代、幕府の直轄地や諸大名の領地などが複雑に入り組んでいた。1871年7月の廃藩置県の時点で、韮山(伊豆)、静岡(駿河、遠江)、堀江(浜名湖北部)と3つの県があり、11月に韮山は足柄県の一部となり、遠州には新たに浜松県ができた。
1876年4月に足柄県が廃止されたことに伴い旧伊豆の国が静岡県と合併し、8月21日には浜松県と静岡県が合併。今の静岡県が誕生する形となった。
■県民の日を休日にする方法は2つ 高いハードル
「静岡」という名称が初めて採用されたのは1869年だった。新しい政府から地名の変更を命じられた駿府藩は「静」、「静城」、「静岡」の3つを提案。政府に「静岡」が採用された。「シズオカ」の「シズ」は賎機山に由来すると言われている。
静岡県と同様に、東京都や山梨県なども県民の日を条例で制定している。静岡県民からは「県民の日を休日にできないのか」という声も出ている。ただ、そのハードルは高い。
県によると、国や地方公共団体が特定の日を新たに休日とするには2つの方法がある。1つは「国民の祝日に関する法律」とする場合で、国会の議決を経て法律の改正が必要となる。
もう1つは、地方公共団体が独自に休日を定める方法。このケースは歴史的、社会的意義があり地元に記念日としての意識が定着し、広く国民の理解が得られることが必要となる。お盆や祭り、市政記念日などは対象外となっているため、県は県民の日を休日にすることは今のところ困難としている。現在は、沖縄県の「慰霊の日(6月23日)」、広島市の「平和記念日(8月6日)」が地方公共団体の休日となっている。
県民の日は県内各地でイベントが開催され、入場料を無料にしている施設も多い。NHKの大河ドラマ「どうする家康」で注目されている大河ドラマ館は、静岡市では県民が入館料無料、浜松市では県民に限らず全ての入館者が無料となる。静岡県は県民の日のイベント一覧を公開している。
県民の日イベント一覧(静岡県HPより)
(SHIZUOKA Life編集部)