2023/09/15
猛暑も影響? 今後は夏も流行? 季節外れのインフルエンザ患者数が急増
■静岡県の感染者1週間で2倍超 県西部中心に学級閉鎖
冬に流行するインフルエンザの患者数が全国的に急増している。静岡県でも患者数が1週間で2倍以上に増え、14日には県内にある10校で学級閉鎖となっている。なぜ、この時期にインフルエンザが流行しているのか。免疫力の低下に加えて、猛暑の影響も指摘されている。
静岡県感染症対策課によると、9月4日から10日までの1週間で県内の定点医療機関1か所当たりのインフルエンザ患者数は4.79人だった。1週間前の2.19人から2倍以上に増加している。
県内の患者数は6月以降、1医療機関当たり1人前後で推移していたが、8月21日から27日の1週間で1.44人と前週から1.5倍に増えた。その後は増加が続いている。インフルエンザ流行の目安は「1人」で、国は「10人」を注意報レベル、「30人」を警報レベルの基準に定めている。
インフルエンザは若い世代で特に流行しており、教育機関に影響が出ている。14日には県内の小学校6校、中学校3校、高校1校の計10校で学級閉鎖となった。熱海市の小学校を除く9校は県西部の学校で、中でも浜松市が4校と多くなっている。
冬に流行するインフルエンザが、なぜ夏も感染が広がっているのか。専門家は免疫低下を挙げる。ここ数年は新型コロナウイルス感染拡大によりマスクを着用し、人との接触も減っていたことでインフルエンザの患者数が大幅に減った。
しかし、新型コロナが感染法上の5類に移行されて行動制限が緩和され、人の移動が活発になり、マスクを外す人も大幅に増えた。観光などで来日する外国人も急増し、海外由来のウイルスも入ってきている。
一部の専門家が指摘するのは猛暑の影響だ。今年は東京で真夏日の連続日数が更新されるなど、9月に入っても全国的に厳しい暑さが続いている。そのため、エアコンに頼らざるを得ず、部屋の換気が悪くなっていることも要因になっている。また、世界には1年を通じてインフルエンザが流行している熱帯地域もあるため、日本でも今後、夏にインフルエンザが流行する状況が当たり前になる可能性もあるという。
静岡県はインフルエンザの拡大を防ぐため、人が集まる場所での換気を呼び掛けている。他にも、こまめな手洗いやマスクの着用、体調が悪い時は人混みを避けることなどを注意喚起している。
(SHIZUOKA Life編集部)