2023/09/22
猫に多い病気は腎臓と口 1歳未満の子猫も注意 飼い主がチェックするポイントは?
■病気のサインが出る猫の尿 回数や色の変化を確認
元気のない愛猫の姿は見たくない。動物にはそれぞれ注意すべき病気があるが、猫は腎臓と口に気をかけてほしいと専門家は話す。尿路系の病気は1歳に満たない猫から注意が必要で、尿の回数や色の変化が病院に行くサインとなる。
当然ながら、猫は痛みや違和感があっても言葉で伝えられない。大きな病気を防ぐためには、飼い主が異変に気付けるかどうかが重要になる。静岡市にある「あん動物病院」の大石将司院長は、猫に多い病気として腎臓と膀胱を挙げる。
若い猫は膀胱炎や尿路結石になりやすく、年を取ると腎不全が増える。尿路結石は1歳に満たない猫も患うという。病気のサインは、トイレの回数や仕草、尿の色に出る。膀胱炎の場合はトイレが近い割に、尿の量が少ない。尿路結石は時に血尿を伴う。
一方、腎臓の病気を疑うのは尿の色が薄く、量が増えてきた時。年齢を重ねて腎臓が悪くなると、薄い尿がたくさん出るようになる。若い頃の健康診断で腎臓が生まれつき1つしかない猫が偶然に発見されるケースもある。高齢になると地方が増える犬と比べ、猫の認知症は少ない。
■歯周病や歯肉口内炎にも注意 歯磨きでは改善せず
腎臓と膀胱の他に、猫が気を付けるべきは口の病気。中でも、歯周病や歯肉口内炎が多い。歯肉口内炎は痛みを伴うので、ご飯を食べられなくなる。猫の体質による部分もあり、1~2歳で口の中が真っ赤になる場合もある。歯磨きで改善するわけではない。
飼い主が注意する兆候としては、猫がご飯を食べる仕草。食器の周りにドライフードのかけらがボロボロこぼれていたり、食べにくそうにしていたりする時は、口の中に痛みのある可能性が高い。対処が遅くなると、歯を抜かざるを得ない時もある。
歯磨きは歯石予防にはなるが、歯石で困る猫はあまり多くないという。歯磨きを毎日すると猫に嫌われる恐れがあるので、大石さんは「歯磨きは嫌わない程度で頑張りましょう。1年に1回、健康診断で血液検査する時に、口の中もチェックすることを勧めています」と話す。
猫は口の中に痛みがあると毛繕いしなくなるため、毛並みが悪くなる。または、よだれが出ている汚い口で毛繕いすると、体が臭くなってくる。愛猫が健康でいられるよう、最も近くで生活している飼い主が異変やサインを見逃さないようにしたい。
(間 淳/Jun Aida)