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2023/09/26

新型コロナ関連の倒産増加 過去最多ペースの背景は? 飲食店は1000件目前

新型コロナの影響で増加した空き店舗

■コロナ関連倒産は累計6638件 6件に1件が飲食店

新型コロナウイルス関連の倒産件数が増加している。今年の倒産件数は1879件と過去最多ペースで増えている。累計は6683件に上り、飲食店は1000件目前となっている。

 

民間の調査会社・帝国データバンクによると、新型コロナの影響で倒産した事業者は9月20日時点で累計6683件となった。負債1億円未満の小規模倒産が4036件と全体の約6割を占めている。この件数は新型コロナが倒産の要因と当事者や代理人が認め、法的整理または事業停止となったケースを対象にしている。

 

業種別に見ると、居酒屋を中心にする「飲食」が995件で1000件に迫っている。次いで、「建設・工事」の869件、「食品卸」の331件、「食品小売」の281件となっている。

 

都道府県別では飲食店の多い都市部が多い。最多は東京都の1098件。大阪府の693件、神奈川県の376件、福岡県の372件と続いた。静岡県は236件となっている。倒産件数が20件以下なのは、鳥取県の14件、高知県の16件、徳島県の20件と3県だけだった。

 

倒産件数は今年に入って増加傾向にある。新型コロナによる最初の倒産と認められた2020年2月以降、1か月当たりの倒産件数が最も多くなったのは今年3月の265件。次いで6月の262件、5月の252件と、上位5つは全て今年記録されている。

 

■ゼロゼロ融資の返済開始 飲食店ならではの事情も

新型コロナの新規感染者数はピーク時より減少し、行動制限も緩和されているにもかかわらず、なぜ倒産件数は増加しているのか。専門家が指摘するのは「ゼロゼロ融資」の影響だ。

 

ゼロゼロ融資は新型コロナで売上が減少した中小企業を支援するため、3年間は実質無担保・無利子で資金を貸し出す制度。政府によると、昨年末時点で全国249万件の融資が行われた。

 

この融資の返済期限を迎える中、専門家は「中小企業の大半は大企業のように業績がコロナ前の水準まで回復していない。返済開始を3年後に設定した中小企業が多く、融資で延命していたが、返済する体力がなく倒産しているケースが目立つ」と指摘する。飲食店の倒産が多い理由については、こう説明する。

 

「そもそも飲食店は10年経営するのも難しいと言われる業界で、他の業種より倒産が多い。さらに、原材料費の高騰で利益を上げるのが難しくなり、将来を悲観して白旗を上げる事業者もいます。物価の高騰で外食を控える人が増える懸念も飲食店の倒産に影響していると考えています」

 

物価高騰の波は収まらず、人手不足の問題も企業の悩みの種になっている。倒産を決断せざるを得ない中小企業は今後も増えると予想される。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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