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2023/10/04

呼吸法で腰痛や肩こり解消、睡眠改善の効果に期待 自宅で手軽にエクササイズ

風船を使った呼吸のエクササイズを解説する甲賀さん

■掛川市にオープン 理想の呼吸を身に付ける「GFconditioning」

呼吸の仕方で日常生活の充実感がアップする。少年野球チームを運営する理学療法士が静岡県掛川市にオープンしたサロン「GFconditioning」は、野球のパフォーマンス向上につながる呼吸法をサポートしている。正しい呼吸法は肩こりや腰痛の解消、睡眠改善などの効果も期待され、野球をしていない人にもオススメだという。自宅でできるエクササイズもある。

 

今年8月に「GFconditioning」をオープンした甲賀英敏さんは21年間、理学療法士として掛川市内の総合病院に勤務していた。県高校野球連盟メディカルサポートにも長年携わり、昨年には怪我を予防しながら運動能力を向上させる育成型の小学生軟式野球チーム「グッドフェローズ」を創設している。

 

「GF conditioning」の特徴の1つは「呼吸」にある。呼吸を妨げている筋肉をほぐし、理想的な呼吸法を身に付けることで、スポーツ選手のトレーニング効果を高める狙いがある。甲賀さんが理想に掲げているのは、息を吸った時に胸とお腹が同時に膨らみ、吐いた時に同時にしぼむ「きほんの呼吸®」。この呼吸法を身に付けると副交感神経優位なリラックスした状態を自分でつくりだすことができるため、体への負担が軽くなって睡眠の質も向上するという。

 

「自立神経に意識的にアプローチできるのが呼吸です。呼吸を自分でコントロールできるようになるとストレスが軽減します。肩こりがひどい、呼吸が浅い、眠れないなどの悩みを持った方にも来ていただいていますが、スッキリしたという声が多いです」

 

甲賀さんによると、約1時間のケアで呼吸法は改善する。ただ、呼吸には個々にクセがあるため、クセを直すためには一定の時間が必要。継続的に通うと効果が高くなる。

 

■自宅で簡単にできる 風船使ったエクササイズ

サロンでのケアに加えて、甲賀さんが勧めているのは風船を使ったエクササイズ。以下の手順に従って「3、9、3のリズム」で風船を膨らませると、「きほんの呼吸®」を身に付ける練習になる。

 

①風船を口に付けて3秒間、息を吸う

②9秒(または6秒)かけて息を吐き、風船を膨らませる

③3秒間、息を止める

 


この3、9、3のリズムが「きほんの呼吸®」では大切になるという。甲賀さんは「息を吐く時間を長くするところがポイントです。息を吸った時に胸とお腹が同時に膨らんで、吐いた時に胸とお腹が同時にしぼんで肋骨が下がっているかを確認しながらやると、さらに効果が上がります」と話す。

 

甲賀さん自身も元々、呼吸法に課題があった。胸郭が上手く機能せずお腹での呼吸に偏り、常に空気を吸っている状態だった。空気を吸う量が限られるため呼吸数が多く、リラックスしにくい呼吸法になっていた。「きほんの呼吸®」に関する資格を取得してエクササイズを毎日続けることで、胸とお腹をバランス良く使って深い呼吸ができるようになった。

 

呼吸法が改善し、目に見えて変化したのは睡眠だった。甲賀さんは新型コロナウイルスの後遺症で1時間半から2時間おきに目が覚め、眠れていないことに落ち込んでいた。ところが、「きほんの呼吸®」を身に付けてからは朝までぐっすり眠り、目覚めも格段に良くなったという。

 

1日約2万回、寝ている時も無意識にしている呼吸。甲賀さんは「アスリートだけではなく、仕事にストレスを感じている方や睡眠に悩んでいる方にも呼吸の大切さを知ってほしいです」と語っている。

 

(間 淳/Jun Aida

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