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2023/10/05

食品値上げはピーク越えたか 年内は値上げ品目大幅減少と予想 10月は7割が酒類・飲料

10月は税制改正された酒類を中心に値上げ

■10月の値上げは4634品目 酒税改正の影響

家計を圧迫する長引く値上げの波が、ようやく一段落しそうだ。10月に値上げされた食品は4634品目と、3か月連続で前年同月を下回った。年末にかけては値上げされる品目が大幅に減ると予想されている。

 

民間の調査会社「帝国データバンク」によると、主要な食品メーカー195社が10月に値上げした品目は4634に上った。昨年10月の7864品目と比較すると、6割の水準にとどまっている。

 

10月の値上げは酒類・飲料が約7割を占めている。背景にあるのは酒類の税制改正。食料品が生活必需品とされているのに対し、嗜好品とされる酒類には税金がかかっている。国は製造方法などによって異なる税制を定めている。ただ、類似する酒の税率に違いがあるため、税率が段階的に見直されることになった。

 

税率の改正は2020年から2026年まで3段階で実施され、今年10月は2段階目となった。ビール系は2026年10月に350ミリリットル換算で税率を54.25円に一本化する。それに伴い、今回は第3のビールが46.99円引き上げられた。ビールは63.35円引き下げ、発泡酒は今までと同じ46.99円となっている。

 

日本酒やワインといった醸造酒類の税率は今回、1キロリットル当たり10万円に一本化された。チューハイは今回、改正の対象から外れている。

 

酒類以外にはハムやソーセージなどの加工食品、アイスやチョコレートといった菓子類の値上げが多かった。菓子の値上げは173品目で、前年同月を上回った。小麦粉、生乳、チョコレートなどの原材料費が高騰した影響を受けた形だ。

 

10月に4634品目が値上げされ、今年に入って値上げされた食品は3万1887品目まで増えた。前年より23.7%増加している。過去にないペースとなっているが、値上げのピークは越えたとみられている。11月と12月は値上げされる品目が大幅に減り、当初の年間予想3万5000品目を下回る3万2000品目台にとどまると予想されている。

 

ただ、長期化する円安やエネルギー価格の高騰により、2024年以降も断続的に値上げが続く可能性がある。帝国データバンクは「物流費や包装資材の価格高騰が続くほか、高止まりが続く電気・ガス代、原材料では国産乗りの不作など食品価格が安定化するためのプラス要因は見当たらない」としている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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