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2022/07/24

新型コロナによる2つの理由で大幅減少 静岡県の化粧品生産額は全国5位

ファンデーションや口紅の生産が盛んな静岡県

■全国平均と比べて約2倍の落ち込み 前年から12.8%減少

長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響が響いている。昨年の静岡県の化粧品生産額は前年より12.8%減り、1132億円となった。過去に“幻の日本一”を獲得した静岡県だが、都道府県別の順位は3年連続で5位。新型コロナによる2つの原因が、生産額の大幅減少を引き起こした。

 

経済産業省の統計によると、昨年の静岡県の化粧品生産額は1132億円で、前年より12.8%(165億円)減少した。

 

都道府県別の順位は前年とほぼ変わらなかった。1位は滋賀県で1958億円(前年5.0%減少)、2位は埼玉県の1695億円(前年2.6%減少)、3位は愛知県の1520億円(前年13.3%減少)、4位は神奈川県で1328億円(前年9.5%減少)。静岡県を含めたトップ5の顔ぶれは同じで、埼玉と愛知の順位が前年と入れ替わった。

 

生産額は全国的に減少傾向で、全国平均は前年より6.8%減少となっている。ただ、静岡県は12.8%減少と下げ幅の大きさが目立つ。平均の2倍近い下げ幅となったことについて、県は「新型コロナ感染拡大を受け、マスク生活等により、化粧品の需要が低迷した。本件はメイクアップ化粧品の生産が多いことから、特に大きく影響したと考えられる」と原因を分析した。

 

■外出自粛やマスク生活、外国人観光客の減少が要因

静岡県はファンデーションや口紅といったメイクアップ化粧品の生産が盛んなため、外出自粛やマスク生活の影響を色濃く受けたという。また、新型コロナウイルスが世界的にまん延し、外国人観光客が大幅に減ったことも理由に考えられている。日本の化粧品はアジアを中心に人気が高い。国内外の両面から需要が落ち込んだ形だ。

 

新型コロナ感染拡大前と比べると、生産額は4割近く減っている。化粧品製造業者を取り巻く環境は厳しい状況が続いていることから、県は「人づくり」、「新規参入促進」、「監視指導」の3つを対策に掲げ、関係機関と連携したセミナーの開催や、支援制度の紹介、専門的な監視と助言などをしていく。

 

静岡県の化粧品製造額は一時、2014年から3年連続で全国1位と発表されていた。しかし、一部の企業で生産額が二重で報告されていたことが判明。実際は全国35位で、トップはいずれも埼玉県だった。県内に工場を持つ企業同士が合併した際、本来は1つの企業として生産額を伝えるところ、別々に報告したことが原因だった。

 

3年連続で全国5位を維持した静岡県。全国平均を大幅に上回る下げ幅を上昇に転じられるのか。新型コロナの終息を願っているだけで必要な策を講じなければ、現状の打破は難しい。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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