2023/10/22
10月25日は世界パスタデー 富士市のご当地グルメ「つけナポリタン」とは?
■日本で初めてパスタがつくられたのは明治時代
10月25日は「世界パスタデー」に制定されている。古代ローマが起源とされるパスタは日本でも日常的に食べられているが、静岡県富士市では「つけナポリタン」をご当地パスタとして発信している。
パスタはイタリア語でスパゲッティやマカロニなど小麦粉と水を練り合わせた食品の総称で、古代ローマで主食だったプルスと言われる食べ物が起源と言われている。1995年10月25日にイタリアのローマで「第1回世界パスタ会議」が開かれたことから、1998年に「世界パスタデー」に制定された。イタリアでは毎年、パスタのワールドカップと呼ばれる大会が開催されている。
一般社団法人「日本パスタ協会」によると、日本にパスタが持ち込まれたのは幕末の横浜につくられた外国人居留地だった。初めて国内でパスタがつくられたのは明治時代の1883年頃。フランス人の神父が長崎市にマカロニ工場を建設して製造したのが最初と言われている。
■2008年に誕生「つけナポリタン」 店ごとに特徴
今や日本の国民食ともいえるほど一般的になったパスタ。店独自の味付けも多い中、富士市では「つけナポリタン」が名物になっている。
つけナポリタンはトマトベースのナポリタンソースに麺をつけて食べるメニューで、2008年にテレビ番組の町おこし企画をきっかけに誕生した。富士市の吉原商店街を中心に、市内の店で提供されている。2011年には全国のご当地グルメを集めたイベント「B-1グランプリ」にも出場している。
つけナポリタンはトマトスープに鶏ガラを合わせたソースが一般的だが、トマトに加えるもう1種類のソースは、それぞれの店に任されている。ムール貝やサクラエビといった魚介を組み合わせる店もある。ソースにはチーズや半熟卵を入れている店が多い。
使用する麺の種類やトッピングも店によって違いがあるため、食べ比べを楽しむ人もいる。麺は太めのちぢれ麺、冷製パスタで使われるカッペリーニのような極細麺、ご当地グルメ・富士宮焼きそばの麺など、種類が幅広いところも特徴となっている。
富士市内の小学校では給食にも出てくるつけナポリタンは全国的にも知られるようになり、都内や愛知県には提供している店もある。
つけナポリタンには、「ナポリン」という公式キャラクターもいる。つけナポリタンの中に住んでいるトマトの妖精で、明るく元気な性格で少し天然ボケなところがあるという。つけナポリタンは静岡県内で浸透しているが、ナポリンを知る県民は少ない。
(SHIZUOKA Life編集部)