2023/10/28
悪口で賞金5万円 昨年度の大賞作品は「泥の舟って…」 審査委員長は直木賞作家
■「愛するあなたへの悪口コンテスト」 11月30日まで作品募集
悪口で賞金をゲットできる!?静岡県島田市で今年度もユニークな企画が始まっている。「愛するあなたへの悪口コンテスト」。今回で20回目を迎えるコンテストで、大賞に選ばれると賞金5万円が贈呈される。
「愛するあなたへの悪口コンテスト」は、島田市の中心市街地の活性化を図る「株式会社まちづくり島田」が開催している。自分の大切な人に向けて不満を作品として募集し、審査員長を務める直木賞作家の村松友視さんらが審査する。
大賞に選ばれると賞金5万円が贈呈され、その他にも準大賞3万円、島田市長賞2万円、高校生審査員賞5000円など、総額15万円が賞金として用意されている。
なぜ、悪口を作品として募集するのか。かつて東海道島田宿には役所の機能を果たした「陣屋」があった。陣屋にまつられていたお稲荷様は江戸時代から町の人々に“風刺(悪口)稲荷”として親しまれていたという。
そこで、なかなか言いたいことが言えない人やケンカして仲直りしたい人がお稲荷様に思いを打ち明ける機会をつくろうとコンテストが企画された。まちづくり島田は「腹を割って話をすれば、きっとお稲荷様が縁を深めてくれます」としている。
■作品は50文字以内で形式不問 昨年度の応募総数は5828点
コンテストの応募資格は不問で、50文字以内(句読点を含む)の日本語による作品に限られる。詩、和歌、俳句、川柳など形式は問わない。応募点数は1人5店までで、未発表の作品に限られる。受付は11月30日まで。詳細は、まちづくり島田のホームページに記載されている。
昨年度の大賞には、兵庫県宝塚市に住むペンネーム亭主淡泊さんの作品「泥の舟って、意外と浮くのね」が選ばれた。準大賞は「隠した酒を隠される」、島田市長賞は「あたなしかいない こともないけど あなたしかいない」だった。
小中高生を対象にしたスクール大賞には、島田商業高校の学生が書いた「駐輪場のおじさん、世間話は聞きあきたよ。電車にまた乗り遅れちゃったよ。」が選出された。第1回は3007点だったコンテストの応募総数は第7回に過去最多となる7891点まで増え、昨年度の第19回は5828点だった。
(SHIZUOKA Life編集部)