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2023/11/07

中国依存で観光客回復に遅れ 宿泊者は全国で2%増加 静岡県は12%減少と苦戦

観光地として人気の富士川楽座にある観覧車

■夏季期間の静岡県観光施設 客数はコロナ前から14%減少

夏の期間に静岡県内の主要施設を訪れた観光客は433万8000人で昨年より5.1%増加した。ただ、新型コロナウイルス感染拡大前と比較すると14.4%の減少で、全国的に見ても静岡県の観光客回復は遅れている。

 

静岡県は7月1日から8月31日までの夏季シーズンに、主要な観光施設を訪れた客数を発表した。42施設で合わせて433万8000人となり、最も多かったのは富士市の道の駅「富士川楽座」で75万7489人。次いで、静岡市の「エスパルスドリームプラザ」が51万3000人、伊東市の道の駅「伊東マリンタウン」の47万9134人だった。

 

今年、天守閣が修復された掛川市にある掛川城は2万1689人で昨年の約2.8倍に増加。増加率トップとなった。JR東海とのコラボ企画の効果もあったという。

 

新型コロナによる行動制限が緩和され、今夏は観光客の大幅増加が期待された。ただ、お盆期間中に台風が接近して交通機関が乱れた影響もあり、昨年から5.1%の増加にとどまった。

 

■宿泊者数はコロナ前から12%減少 中国依存の影響

新型コロナによって大幅に落ち込んだ観光客は回復傾向にある。だが、静岡県内の動きは鈍い。今年7月の宿泊客数は新型コロナ感染拡大前の2019年から国内全体で2%増加しているが、静岡県は12%減少した。日本人は3%減少で、外国人は65%も減っている。

 

背景にあるのは中国人観光客への“依存”。2019年の外国人観光客に中国人が占める割合は国内全体で3割だったのに対し、静岡県は約7割に上る。中国では日本への団体旅行が8月に解禁されたが、東京電力福島第一原発の処理水放出をめぐって旅行のキャンセルが出ている。

 

静岡空港では9月24日、3年7か月ぶりに中国・上海線が再開した。ただ、搭乗率は48.2%にとどまり、期待するほど伸びなかった。川勝平太知事は現地旅行会社への営業活動強化やインフルエンサーを活用した情報発信などを打ち出し、中国人観光客の回復を図っている。観光客の増加を目指すのであれば、中国人に加えて、国内外から広く誘客しなければ、全国の流れに取り残されてしまう。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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