2023/11/12
江川卓氏は3球で降板…原辰徳氏は見逃し三振 巨人レジェンド集結も女子チームに完敗
■クリーンアップは篠塚、原、ラミレス 草薙球場に6300人のファン
巨人レジェンドOBとジャイアンツ女子チームの試合が12日、静岡市の草薙球場で初めて開催された。レジェンドたちは年齢には勝てず、伸び盛りの若い女子選手チームに1-8と大敗。それでも、見せ場をつくって球場を沸かせた。
往年の巨人ファンは歓喜する名選手の名前が並んだ。スタメンは先頭打者に高橋由伸氏、2番に川相昌弘氏、クリーンアップは篠塚和典氏、原辰徳氏、アレックス・ラミレス氏が座った。先発マウンドに立つのは江川卓氏。2番手以降の投手陣も高橋尚成氏や槇原寛己氏ら、全盛期であればリーグ優勝は間違いないような布陣だった。
だが、時の流れを感じざるを得ないプレーの連続だった。江川氏の初球、山なりの投球は高めへすっぽ抜けた。2球目、今度はホームベースのかなり前でワンバウンド。三塁を守っていた原氏からは、プレートより前から投げるように促されたが江川氏は拒否。3球目。女子チームの先頭打者が高めのボール球を強引に打ち、二塁ゴロに仕留めた。ところが、二塁手・篠塚氏のエラーで出塁を許した。江川氏は、ここで降板。わずか3球でベンチへ下がった。
「ストライクが入らなかったので、ボール球をスイングしてもらって助かりました。投球が届かなくても前からは投げたくないプライドがありました」
江川氏に前から投げるように助言した原氏も、年齢には勝てなかった。2回には三塁ゴロをエラー。その裏の打席では、見逃し三振に倒れた。それでも、人気は健在。スタンドからは大声援が飛んだ。それに応えるように、三塁ゴロを軽快にさばくシーンもあった。試合後は「65歳としては頑張ったでしょう。いろんな形で野球を普及したり、社会貢献につながったりする活動ができたら良いですね」と語った。
巨人レジェンドOBを率いた中畑清監督は最終回の2死から代打で登場。二ゴロで最後の打者となり「女子チームは強いという情報は入っていましたが、ここまで強いとは思いませんでした。ベンチでも『すごい』と騒いでいました」と脱帽した。試合は1-8の大敗となったものの、往年の名選手がグラウンドに立つ姿は球場に集まった6300人を十分に満足させた。
(間 淳/Jun Aida)