2022/08/04
参院選で繰り広げられた自民党の新旧幹事長派閥争い 二階派が茂木派に勝利
自民候補が圧勝した参院選静岡選挙区の裏では派閥争いが
■初当選した自民党・若林氏が二階派入り 静岡県東部につながり
7月の参議院議員選挙で初当選した若林洋平氏が、自民党の二階派に入会した。参院選の裏では二階俊博氏と茂木敏充氏の新旧幹事長による派閥争いが繰り広げられ、どちらの派閥を選ぶのか注目されていた。若林氏の入会で、静岡県内の国会議員は二階派に最多の3人が所属することになる。
若林氏は7月10日の投開票された参院選に立候補し、62万2141票を獲得してトップで初当選した。自民党公認候補として出馬したことから、当選後にどこの派閥に属するのか注目されていた。
若林氏が選んだのは、自民党の前幹事長・二階俊博氏が率いる二階派だった。 二階派には衆院議員の勝俣孝明氏と細野豪志氏が所属しており、県内では若林氏が3人目となった。
二階氏は静岡県東部を地盤にした元建設相・遠藤三郎氏の秘書を務めた後、衆院議員になっている。前御殿場市長の若林氏の経歴を考えれば、二階派入りは“既定路線”に見えるが、別の派閥に入る可能性も指摘する声もあったという。自民党県議の1人は、こう話す。
「茂木派は若林氏が落選した昨年の参院補選でも全面的にサポートし、今回の参院選でも力を注いでいました。そもそも、この枠は茂木派のものと考えていたはずなので、若林氏が自分たちの派閥に入るのは既定路線と見ていたのは、茂木氏も同じだったと思います」
■若林氏は「茂木派入りが筋」との見方も 公示翌日に異例の応援演説
若林氏は御殿場市長の任期途中で昨年10月の参院補選に立候補し、落選している。この補選は、茂木派(当時は竹下派)の参院議員だった岩井茂樹氏が静岡県知事選に立候補したことから行われたもので、若林氏が当選すれば茂木派に入るのが筋という見方もあった。
派閥争いをめぐっては、二階氏が参院選の告示前に県東部地区で開催された決起大会に出席して、若林氏への支援を呼び掛けた。一方の茂木氏は、公示翌日に応援演説で静岡県に入っている。改選2議席で自民党候補の当選が確実とされていた静岡選挙区で、幹事長が公示直後に現れるのは異例だった。自民党県議は「若林氏の決断は相当難しかったはずです。茂木氏には補選から手厚く支援されていましたから」と胸中を推し量った。
静岡県選出の国会議員は衆院議員13人、4人の計17人いるが、そのうち自民党が10人を占めている。二階派が3人で最も多く、安倍派と岸田派が2人、茂木派、麻生派、無派閥が1人ずつとなっている。
(SHIZUOKA Life編集部)