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2024/01/14

静岡県では10市町まで拡大 事業の参画企業やサービス利用者が増加 “必然”のワケ

地域にある様々なジャンルの情報が掲載されている「まいぷれ」webポータル

■地域おこし事業「まいぷれ」 全国781市区町村でサービス展開

事業に参画する企業やサービス利用者が増えているのは決して偶然ではない。地域おこし事業「まいぷれ」は、全国781市区町村(2023年12月時点)でサービスを展開している。静岡県でも、静岡市で昨年9月からスタート。地元の魅力を発信して地域貢献しながら、収益を上げられる理由がある。

 

千葉県船橋市に本社を置くフューチャーリンクネットワークが2000年に開始した「まいぷれ」事業は、地元企業が運営する形で全国各地へ広がっている。静岡県では静岡市と浜松市の両政令市、さらに藤枝市や長泉町など10市町まで拡大している。

 

まいぷれは各地域の魅力を掘り下げて情報発信するサービス。ポータルサイトのほか、SNSやGoogleマップとも連携して情報を届けている。事業を運営する「パートナー」と呼ばれる地元企業は、2023年12月現在で全国169社。企業の業種は様々で、静岡市は電気設備工事の企業、浜松市は事務機器販売の企業がまいぷれを運営している。中には、脱サラしてパートナーになる個人もいる。

 

パートナーの主な取引先は、まいぷれを利用して情報発信する店舗。店舗の業種・業態は飲食や小売、美容サロンや学習塾など多岐に渡る。パートナーは店舗からの月額利用料が収益となる。店舗がまいぷれの利用を継続すると利用料が毎月入るため、収益は安定する。パートナー制度をつくったフューチャーリンクネットワークの石井丈晴社長は、こう話す。

 

「割引きやお得といったお金だけでは測れない地域の付加価値を発掘し、情報を発信するのがまいぷれです。地域内外の方に魅力を伝え、人々の行動につなげることで地域活性化する目的があります。フランチャイズに近い概念ですが、パートナー制度にしているのは地域による多様性を生かした運営手法にしたいからです」

まいぷれスタッフが利用店舗の相談に乗るなど関係性の深さも特徴

■店舗の情報掲載にとどまらない「サービスの広がり」

店舗の情報をサイトで掲載するだけであれば、近いサービスは他にも存在する。まいぷれの最大の特徴は「サービスの広がり」にある。新しい商品やサービスの紹介、イベント開催といった店舗が投稿する情報はGoogleマップにも連携される。これにより、パソコンやスマートフォンで検索した際に店舗が発見されやすくなる。

 

また、パートナーとまいぷれ利用店舗の関係は情報掲載にとどまらない。両者のつながりが深いため、派生事業も幅広い。複数の利用店舗を回ると豪華賞品に応募できるシールラリーといったイベントや、掲載店舗が集まる異業種交流会の開催。まいぷれを利用している飲食店とジムがコラボした商品開発など、掲載店同士が交流を深め、事業の可能性を広げている。

 

まいぷれ利用店舗は、その効果を実感している。千葉市にあるパソコン教室からは「幅広い年代で利用者が増えました。教室は常時満員状態です」と感謝の言葉が届いた。市川市の飲食店は「Googleビジネスプロフィールとの連携で、検索から来店される方が増えています。思った以上にサポートが手厚く、安心して活用しています」と話す。掲載店舗の月間平均解約率が1.69%と驚くほど低いのは、掲載店の満足度を示している。

 

パートナーはメディアの運営経験のない企業が大半を占める。異業種からの参入でも掲載店を増やせている理由は、まいぷれを23年運営し、全国169社のパートナーをサポートしてきたフューチャーリンクネットワークのノウハウによる部分が大きい。

フューチャーリンクネットワークの石井社長

■パートナーの不安解消する専門チーム 自治体とも連携

研修や組織マネージメントを支援する専門チームや、ITに不慣れなパートナーをサポートするシステム・デザイン専門チームなど、知識や経験が豊富なスタッフが充実している。パートナーにはサイト運営を始める前に、体制の構築や営業に必要な知識を半年ほど学ぶ研修期間も設けられている。不安や問題点を解消し、まいぷれ事業を始められる仕組みとなっている。

 

パートナーの中には、ふるさと納税や地域ポイント事業といった自治体と連携した発展事業で収益を上げている企業もある。パートナーと協定や覚書を締結している自治体は全国で100以上。石井社長は「パートナーさんは自治体にパイプがなくても、まいぷれは全国各地で自治体と事業を成功させている実例があります。弊社の専門チームがパートナーさんを支援する仕組みができているところも強みです」と説明する。

 

フューチャーリンクネットワークでは、まいぷれ事業の運営に興味を持っている個人や企業を対象にオンライン説明会(土日も可)を開催している。また、カメラオフで気軽に視聴できる合同説明会や事業内容を学べる体験講座も用意している。

 

より具体的に事業をイメージしたい人に向けたセミナーも実施している。1月27日には、まいぷれ静岡を運営するパートナー企業「テクノメイト」の担当者が登壇するセミナーを開く。実際の事業内容を詳しく知る貴重な機会となる。

 

■1月27日開催のセミナー詳細

https://partner-mypl.net/shizoka_newbusiness/

 

(間 淳/Jun Aida

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