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2024/01/24

ユニホームは背番号とハヤテのみ 選手名を入れない理由は? 日本伝統の「勝色」使用

くふうハヤテはユニホームやパーカーなどを披露

■浜松市の老舗メーカー製作 創業50年で「1、2を争う素材」

今季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参加するくふうハヤテベンチャーズ静岡が24日、ユニホームを披露した。ユニホームに刻まれたのは「HAYATE」のロゴと背番号のみ。選手名も「ベンチャーズ」や「静岡」も入っていない理由は「全員一丸でのチーム貢献」にあるという。黒色に見えるロゴや背番号などの色は、日本古来の「勝色(かついろ)」を使っている。

 

ユニホームを手掛けたのは浜松市のスポーツメーカー「レワード」。これまでに県内にある高校の野球部のユニホームなどを製作している。今回はユニホームの他にも、くふうハヤテのパーカーやTシャツなど選手が身に付けるアイテムを担当した。

 

くふうハヤテのユニホームでこだわったのは素材。最近のトレンドになっている動きやすいストレッチ性の高い素材を使い、特にホーム用のユニホームは近くで見ると素材の美しさが分かるという。伊藤寿弘社長は創業の50年の歴史で「1、2を争う素材」と自信を持つ。

ホーム用ユニホームのモデル田中投手(左)とビジター用モデルの福田選手

■一見すると黒色 実は深い青の「勝色」

ホーム用ユニホームのモデルを務めた常葉菊川高校出身で前DeNA・田中健二朗投手は「一目見て、シンプルでかっこ良いと思いました。このユニホームを着て早く試合がしたいですし、勝利を届けたいです」と笑顔を見せた。ソフトバンクとロッテでプレーした福田秀平選手はビジター用ユニホームを着用し「着心地が良くて軽い。デザインもすごく好きです」と満足げだった。

 

ホーム用ユニホームのロゴや背番号などの色は黒に見える。だが、深い青色で日本古来の「勝色」を使用している。「勝つ」という縁起の良さから、戦国武将が好んで使った色だという。ハヤテグループの杉原行洋代表はユニホームの色について、こう説明した。

 

「静岡県のあらゆるところを回っ、青が多いと気付きました。熱海、伊豆高原、駿河湾・由比海岸、佐鳴湖、浜名湖。そして、富士山の青。ハヤテグループは黒をベースにしてきました。新しいコンセプトを打ち出せないか考えた中で、黒にも見える深い青の勝色にたどり着きました。ハヤテグループとしては黒を今後も大事にしていきたいと思っています。ビジター用ユニホームはグレーをベースに黒で締めたデザインになっています」

ユニホームの背中には選手名はなく背番号のみ

■背中に選手名なし 「全員一丸でチーム貢献」のコンセプト

ユニホームには胸に「HAYATE」の文字、背中に選手の番号にのみをデザインした。選手名や球団名の「ベンチャーズ」、本拠地の「静岡」を入れる予定はないという。杉原代表は「全員一丸となって球団に貢献するコンセプトから選手の名前を入れていません。ベンチャーズや静岡も入れる予定はありません」と説明した。

 

レワードがユニホームの依頼を受けたのは、まだ入団選手も決まっていない昨年10月26日だった。12月に入ってからデザインを始める極めてタイトなスケジュールの中、あす25日のキャンプインに間に合わせた。レワードの伊藤社長は「選手の活躍を期待していますし、このユニホームに憧れる子どもたちが増えて競技人口が増えることを願っています」と思いを込めた。

 

ウエスタン・リーグ開幕まで2か月を切った。くふうハヤテの選手たちは完成したばかりのユニホームを着て、25日からキャンプをスタートする。

 

(間 淳/Jun Aida

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