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2024/02/16

リニア47項目の見解に相違 静岡県「30項目で未解決」 JR東海「論点残されていない」

静岡工区のみ着工できていないリニア中央新幹線

■川勝知事が国交省の認識に異議「正確ではない」

リニア中央新幹線工事をめぐり、静岡県の川勝平太知事とJR東海側の見解が大きく異なっている。県がJR東海と協議すべき課題としてまとめた47項目のうち、川勝知事は「30項目が未解決」としたのに対し、JR東海は「論点は残されていない」と反論した。

 

県は南アルプスのトンネル工事による懸念事項を47項目挙げている。その内容は大井川の水資源、南アルプスの環境保全、残土置き場と多岐に渡る。国は有識者会議を設置して県やJR東海と議論を進め、昨年12月に報告書を作成。これを持って、議論は終了としている。しかし、川勝知事は今月14日の定例会見で次のように述べた。

 

「国交省の鉄道局長から全部終わったと言われたということですが、正確ではありません。有識者会議の座長は報告書の取りまとめは修正を含めて座長一任をいただきたいと言われた上で、県の部会でも建設的な議論をしていただきたいと言われているわけです」

 

県は解決した項目は水資源26項目のうち17項目だけで、残りの30項目を「未解決」と認識している。今後も協議を続けて解決しない限り、静岡工区の着工は認めない立場を取っている。国土交通省は47項目について「丁寧に議論されたと認識している」と解決済みの考えを示しているが、川勝知事は納得していない。

 

「水資源に関しては今後もJR東海においても具体的な内容を検討する必要があるという認識は国と一致していると考えています。生物多様性については県が提出した意見書が反映されていない点も多々見受けられますので、認識が異なる部分はあると考えていますが、今後のJR東海との対話を通じて国ともしっかりすり合わせをしていきたいと考えているところです」

 

■JR東海は知事に反論「国の専門会議で議論なされた」

川勝知事の発言を受け、JR東海側は反論した。15日に開いた定例会見で丹羽俊介社長は、国交省と同様の認識を示した。

 

「3年8か月に渡る国土交通省の専門会議で客観的かつ精緻な議論がなされました。47項目を含めて水資源と環境保全について議論すべき論点は残されていないと考えています。具体的にどのような点について、どういった対話が必要なのか静岡県と確認しながら実務的な意見交換を開始しているところです」

 

国交省は、JR東海による水資源や環境保全の対策をモニタリングする新たな有識者会議の立ち上げを検討している。丹羽社長は「地域の人たちに、より安心してもらえるのであればありがたいことです」と歓迎。川勝知事は「公正中立というのが極めて重要になります。専門性は言うまでもありませんが、国家的な見地からモニタリングできる方が望ましいと思います」と述べた。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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