2022/08/16
J1ジュビロ磐田4年連続でシーズン中に監督交代 過去10年の“長期政権”は1人だけ
■今季就任した伊藤彰監督と強化部トップの鈴木秀人氏を解任
サッカーJ1のジュビロ磐田が、伊藤彰監督と強化担当の鈴木秀人トップチームマネージメント部長を解任した。現在リーグ戦最下位に沈む成績不振を理由としている。後任は発表されていない。これでシーズン途中の監督交代は4年連続となる。
またも、1人の監督でシーズンを終えることはできなかった。ジュビロ磐田は今シーズンから指揮を執っていた伊藤彰監督の解任を発表した。ジュビロは現在、リーグ戦25試合で5勝7分け13敗の勝ち点22で最下位に低迷している。
伊藤監督は昨シーズンまで3年間、J2でヴァンフォーレ甲府を指揮した。毎年1つずつ順位を上げ、昨シーズンはJ1昇格目前の3位までチームを強化。その手腕を買われ、ジュビロの監督に就任した。
しかし、9試合を残して解任。伊藤監督はクラブを通じて「短い間でしたが積み上げてきた成果を、残り9試合ファミリーの皆様と共に残留という目的に向かい、選手・スタッフと共に闘いたい、そしてファン・サポーターの皆様と喜びを分かち合いたいと思っていましたので、シーズン最後まで一緒に闘うことができなくなったことは無念ではあります」などとコメントしている。
■最近10年はシーズン途中交代続き……“長期政権”は名波浩氏のみ
ジュビロがシーズン途中で監督を交代するのは、これで4年連続となる。昨シーズンの鈴木政一氏は体調不良が原因だったためやむを得ない事情だが、成績不振による解任が続いている。代行監督を含む最近10年間の変遷を見ると、名波浩氏を除いて、いずれも“短期政権”となっている。
【2012年(J1・12位)】森下仁志
【2013年(J1・17位)】森下仁志氏→長澤徹氏→関塚隆氏
【2014年(J2・4位)】ペリクレス・シャムスカ氏→名波浩氏
【2015年(J2・2位)】名波浩氏
【2016年(J1・13位)】名波浩氏
【2017年(J1・6位)】名波浩氏
【2018年(J1・16位)】名波浩氏
【2019年(J1・18位)】名波浩氏→鈴木秀人氏→フェルナンド・フベロ氏
【2020年(J2・6位)】フェルナンド・フベロ氏→鈴木政一氏
【2021年(J2・1位)】鈴木政一氏→服部年宏氏
ジュビロは伊藤監督の解任と同じタイミングで、鈴木氏の解任も発表した。今シーズンから強化部のトップを任せたが、夏の移籍期間にチームの課題だったFWを獲得できなかった。
かつては毎年のように優勝争いをして、J1を制したこともあるジュビロは近年、J1とJ2を行ったり来たりしている。J1残留に必死なのは理解できる。だが、シーズン途中の監督解任を繰り返すクラブの方針は、中・長期的なビジョンがあるのか疑問が残る。
(SHIZUOKA Life編集部)