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2024/02/25

平均被害額1323万円 恋心悪用した詐欺 被害者の半分は40~50代 二次被害にも注意

■国際ロマンス詐欺 平均被害額は特殊詐欺の6倍

外国人をかたって相手に恋心を抱かせる「国際ロマンス詐欺」の被害が後を絶たない。静岡県でも今年だけで37件、計5億円近い被害が確認されている。全国的にも増加傾向にあり、1億円を超える被害にあった人もいる。追い込まれた被害者の弱みに付け込んだ二次被害の事例もある。

 

静岡県警によると、国際ロマンス詐欺の被害は今年、37件に上っている。被害総額は4億8954万円で、1件当たりの平均は1323万円。特殊詐欺の平均被害額の約6倍となっている。

 

国際ロマンス詐欺はSNS、出会い系サイト、マッチングアプリといったインターネット上の交流を通じて、医師や軍人など外国人をかたる相手に恋愛関係にあると錯覚させられて多額の現金をだまし取られる手口を指す。被害者の半分ほどは40~50代となっている。

 

やり取りは全てインターネット上で、恋心を悪用して巧みな言葉でだます。詐欺行為をする人は外国人の場合も、外国人を装っている日本人のケースもある。

 

国際ロマンス詐欺の被害は全国的に増えている。特に新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年以降に急増。中には、1億円以上の被害にあった人もいる。SNSやマッチングアプリの普及で顔を知らない相手と交流することのハードルが下がった背景がある。被害の大半はインターネットバンキングなどを利用した現金振り込みの形で、一度も直接会わないまま現金をだまし取られ、その後は音信不通となる。

 

■世界的に被害増加 弁護士に相談して二次被害の事例も

国際ロマンス詐欺は米国や英国を中心に世界中で被害が増えている。米国では2021年の被害額が5億4700万ドル(約820億円)と過去最多を記録。5年間で6倍以上に膨らんでいる。全ての年齢層で増加し、特に18歳から29歳の年齢層

で増えている。被害額は70歳以上が大きい。

 

国際ロマンス詐欺の被害にあわないため、警察は「会ったことのない人から、お金の話が出たら詐欺を疑ってほしい」と注意を呼び掛けている。さらに、詐欺にあってしまった時に警戒が必要なのは「二次被害」。被害金を回収しようと相談した弁護士に着手金をだまし取られる被害が全国で相次いでいる。

 

インターネット広告などを使って国際ロマンス詐欺の被害金を取り戻すとうたう弁護士事務所に着手金を支払ったものの、何の進展もなく、最初から着手金が目的だった詐欺事件が起きている。国際ロマンス詐欺で傷つき、藁にもすがる思いで頼ってきた被害者につけ込む悪質な手口。最初の詐欺に引っかからないようにすることはもちろん、仮に詐欺にあった後も冷静さを失うと二重の苦しみに陥る危険がある。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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