2024/03/15
新型コロナ4月から「特別な対応なし」 診療は自己判断 高額な治療薬は自己負担
■医療機関のひっ迫なし 通常体制に移行へ
新型コロナウイルスへの特別な対応は3月いっぱいで終了となる。静岡県は4月から通常の医療体制に移行すると明らかにした。新型コロナの患者専用の病床確保をやめ、新型コロナの症状が出ても医療機関に行くかどうかは個人の判断となる。また、高額な治療薬も他の自己負担となる。
新型コロナは昨年5月に季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行され、行動制限が大幅に緩和された。県は重症化リスクが軽減し、医療機関が特別な対応をする必要がないと判断。後藤幹生県感染症管理センター長は次のように説明した。
「感染が拡大した昨夏や今冬の場合も、原則は確保病床以外で患者さまの受け入れをお願いしてきました。ほぼ通常の医療体制と同じ形で実現できていたので、4月からは新型コロナのための病床確保は終了して通常体制となります。特別な対応は行いません」
県はこれまで、発熱やのどの痛みといった新型コロナを疑う症状のある患者に対して診療が可能な医療機関の指定や、電話で受け付ける「県発熱等受診相談センター」の設置などを実施してきた。昨夏以降、感染者が増えた時でも医療のひっ迫はなかったことから、外来医療は通常体制に戻し、相談センターも終了する。
今後、医療機関で受診するかどうかは個人の判断となる。発熱やのどの痛みなどが表れた時、風邪と判断すれば自宅で療養したり、市販薬を服用したりする。基礎疾患があり、かかりつけ医に受診を勧められている場合は診療を受ける形となる。
■県独自の注意報・警報や「#8000」は継続
医療費の公費支援も3月で終了し、他の薬と同じように自己負担となる。例えば重症化の予防効果があるパキロビッドやラゲブリオといった治療薬は約9万円のため、3割負担の場合は約2万7000円の自己負担が生じる。後藤センター長は「高額な負担になりますが、診察した医師が必要と判断して処方するので、ご理解いただきたい」と訴えた。
感染症法で決まっている定点医療機関当たりの感染者数の統計は続ける。インフルエンザなどと同様、県内139の定点医療機関から1週間の患者数の報告を受けた県が集計結果を公表する。県独自で設定している注意報や警報は今後も発令する。子どもの急な発熱などに対応する「こども救急電話相談(#8000)」も24時間体制で継続する。
新型コロナに関する医療体制の移行は、国が公費支援を3月で終了することを受けた対応となる。川勝平太知事は「新型コロナウイルス以外の感染症もあることから、状況に応じたマスクの着用、手洗い、換気など基本的な感染対策は引き続きお願いしたい」と呼びかけている。
(SHIZUOKA Life編集部)