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2024/03/23

全国100以上の自治体が導入 静岡県にも広がる「おいくら」 ごみ問題解消に期待

課題となっている自治体も多い不用品の回収

■不用品の買取り リサイクルショップで一括査定

不用品を再利用するため、民間企業が運営するリユースプラットフォーム「おいくら」を活用する自治体が全国に広がっている。静岡県では藤枝市が2022年11月に初めて導入し、焼津市も今年2月から開始した。廃棄物の削減が期待されている。

 

「おいくら」は東京都に本社を置くマーケットエンタープライズが運営するサービス。不用品を売りたい人が査定依頼すると、全国にある加盟リサイクルショップの一括査定で買取価格を比較できる。2023年10月時点で約110万人が利用している。

 

不用品を再利用してごみを削減したいニーズとマッチすることから、「おいくら」を活用する自治体は増えている。今年1月末時点で全国100の自治体に達した。静岡県内では藤枝市、浜松市に続いて、今年2月に焼津市が導入を決めた。

 

焼津市は、まだ着ることができる洋服を回収し、国内外で中古衣料として活用している。2022年度は91.8トンの古着をリユースした。ただ、古着以外の製品を再利用せずに廃棄していたため、「おいくら」との連携をスタートした。

 

■焼津市が2月に導入 県内初は2022年の藤枝市

焼津市では、大型ごみの収集をしていない。市民は分別してから処理施設まで自分で搬入するか、業者に回収を依頼する。高齢者を中心に大きなごみを運び出すことに苦労するケースがあったが、「おいくら」では自宅に訪問して部屋から搬出する出張買取をしている。また、市では回収していない冷蔵庫や洗濯機といった家電リサイクル法対象の製品も買取り対象となっている。

 

2月から「おいくら」をスタートした焼津市は「二次流通の活性化による循環型社会の実現や廃棄物処理量や処理コスト削減につながります。また、売却という形で簡単に不用品をリユースできることを市民が認知し、廃棄ではなくリユースする選択肢が増え、多様化する不用品処分ニーズに応えられます」とコメントしている。

 

静岡県内で初めて、「おいくら」を導入した藤枝市も粗大ごみの収集をしておらず、市民から「どの業者に回収を依頼すればよいか」といった処分や回収方法に関する問い合わせが多かったという。公的機関の立場上、特定の企業を紹介するのは難しく、対応策を模索していた。

 

「おいくら」を利用する自治体に費用負担は発生しない。官民一体の取り組みで自治体や市民が直面する問題解決が期待される。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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