2024/03/26
車内で複数回…不要な身体接触 教職員男女2人 生徒へのわいせつ行為で懲戒免職
■中学の女性職員は自家用車の中で生徒にわいせつ行為
子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する「日本版DBS」が国会に提出される中、静岡市内の教職員が生徒とわいせつな行為をしたなどとして懲戒免職となった。また、静岡県教育委員会も勤務手当の不正受給などで教職員3人の処分を発表した。
静岡市教育委員会は25日、教職員2人の懲戒免職処分を発表した。中学校の男性教諭は今年度、校内で同じ生徒を抱きしめたり、不必要で不適切な身体的接触を何度も行ったりした。
中学校の特別支援教育支援員として会計年度任用された女性は今年2月から3月にかけ、自分の車の中で生徒と複数回わいせつな行為に及んだ。生徒は女性が勤務する中学校に通っていて、わいせつ行為は勤務時間外だったという。
懲戒免職処分を受けた2人が勤務する中学校の校長は管理監督責任を問われ、文書訓告となった。教職員の処分について、静岡市の赤堀文宣教育長は次のようにコメントした。
「今回の不祥事は、教育に関わる公務員として許し難い行為であるとともに、市民の皆様の学校教育に対する信頼を大きく失墜させてしまい、大変遺憾であります。よって、市教育委員会としましては、このことを大変重く受け止め、厳正な処分を行いました。今後は、不祥事根絶に向け、改めて教職員全体の一層の綱紀の粛正と倫理観・使命感の高揚を図り、信頼回復に努めてまいります」
■交通死亡事故や手当の不正受給 県教委も3人に懲戒処分
静岡県教育委員会も22日に、教職員3人の懲戒処分を発表している。県東部の小学校に勤務する37歳の男性教諭は2022年12月、通勤で車を運転中に注意義務を怠り、道路を横断中の女性をはねた。女性は搬送先の病院で死亡している。男性教諭は昨年、免許取り消しの行政処分と罰金50万円の刑事処分を受けた。県教委は男性教諭を1か月の停職処分とした。
島田市の小学校に勤める45歳の男性教諭は昨年9月、児童7人から集めた彫刻刀代金1万5370円を紛失した。2020年度には児童の答案用紙を紛失し、市教委から指導を受けていた。また、自家用車の任意保険が失効していたにもかかわらず、2022年12月から昨年9月にかけて19回にわたり、公務で自家用車を使用していた。公金等の不適切な処理などで戒告の処分を受けた。
県立富岳館高校に勤務する54歳の男性教諭は昨年4月から今年1月までの間、実際は勤務していないにもかかわらず、47日分の部活動指導の実績をデータ入力し、5日分は過大な活動時間を入力した。これにより、特殊勤務手当13万8600円を不正に受給した。また、昨年8月と12月の計4日間で部活動の遠征に行ったと偽って、旅費9200円を不正に受け取った。この男性教諭は減給10分の1、4か月の処分となった。県教委の池上重弘教育長は以下のコメントを発表している。
「教育委員会が一丸となって交通安全意識の徹底などの不祥事防止対策に取り組む中、複数の教職員がこのような非違行為を行ったことは、児童生徒、保護者をはじめ、県民の皆様の学校教育に対する信頼を著しく失わせるものであり、社会的責任はきわめて大きく、深くおわび申し上げます」
「県教育委員会といたしましては、このことを大変重く受け止め、一人一人の教職員に対して、交通規則の遵守徹底を図るとともに、公金を扱うことの重みの自覚を改めて促し、教職員の服務等に関する具体的・実践的な指導や研修を行うことにより、教職員全体の一層の綱紀粛正と使命感・倫理観の高揚を図り、教育行政の信頼回復に努めてまいります」
県教育委員会による教職員の処分は今年度21件に上り、3年ぶりに20件を超えた。最も重い免職は6人で、そのうち4人が児童や生徒に対する性暴力等となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)