2022/08/22
浜松市が行政区再編で区名の候補募集 政令市移行の際は「うなぎ区」、「徳川区」の案も
■行政区再編で2024年から7区→3区 市民から区名募集
市民の考えた名前が広く使われるようになるかもしれない。行政区再編に伴い、静岡県浜松市が新しい区の名前の候補を募集している。2005年に政令市へ移行する際の公募では、「みかん区」や「うなぎ区」など地元の特産品を区名にする案も寄せられたが、“無難”な案が上位を占めて採用されている。
浜松市は5月、長年議論してきた行政区再編の道筋を示した。現在7つある区が3つの区に再編される。移行は2024年1月を予定している。
市は行政区再編の目的について、今後も進んでいくと予想される少子高齢化や人口減少への対応策と説明している。インフラ更新費用や社会保障費の増大といった課題に対し、財政が健全な今のうちに将来を見据えたサービスの維持と強化に取り組む必要があると訴える。
再編では山間部にある天竜区は現状のままとし、現在の「中区」、「東区」、「西区」、「南区」、「北区(三方原地区)」を1つの区、「北区(三方原地区以外)」と「浜北区」を合わせて1つの区とする計3区となる。今回、天竜区以外の2つの区の新しい区名を募集している。
区名は日本語(漢字・ひらがな・カタカナ)に限られ、現在の区名は除く。1人で何回も応募は可能だが、1回の応募で1つの区名に限られている。浜松市に住む小学生以上が応募対象となる。
■2005年の政令市移行でも区名募集 4つの区で最多件数の候補名採用
市民から区名を募るのは珍しくない。政令市に移行する際は静岡市や新潟市も区名を募集しており、2005年に政令市となった浜松市も現在の区名の候補を公募した。中には「みかん区」、「うなぎ区」、「徳川区」といった地元にゆかりがあるユニークなものもあったが、方角を付けたものが上位を占めた。
新しい区名は応募数が最も多いものが採用されるわけではなく、協議会で審議された上で決定する。実際、現在の7つの区名のうち、「南区」、「東区」、「浜北区」、「天竜区」の4つは最多だった。その他、「中区」、「西区」、「北区」の3つは次点で、それぞれ一番多かったのは「中央区」、「浜名区」、「引佐区」だった。
浜松市中心部の「中区」は応募では623件で2番目だった。トップは「中央区」で2119件。大差はあったが、すでに「中央」という町名があったことから、「中区」が採用された。また、「緑区、みどり区」は人気が高く、複数の区で応募された。
地域の顔となる区名。どんな案が集まり、どれが採用されるのか。注目しているのは、浜松市民だけではないだろう。応募は8月25日までで、郵便(再守備の消印有効)、メール、FAXで受け付けている。それぞれの送り先は浜松市のホームページに記載されており、市は応募に関する特設サイトも開設している。
(SHIZUOKA Life)