2024/04/13
いなば食品のペットフード5倍に増産 世界最大規模に 「ボロ家報道」には謝罪
■タイの工場拡大 ウエットタイプの出荷額1300億円
猫用のおやつ「ちゅ~る」で知られる静岡市の大手食品メーカー「いなば食品」が、タイの工場を拡大する。ウエットタイプのペットフード工場を2029年までに現在の5倍まで生産量を増やす。また、一部週刊誌が伝えた「ボロ家報道」について謝罪コメントを発表した。
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いなば食品はツナ缶の「ライトツナ」や猫用の液状おやつ「CIAOちゅ~る」といった商品が有名で、最近では静岡市に誕生したプロ野球球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の本拠地のネーミングライツを取得した。ドジャースの大谷翔平投手がエンゼルスに在籍した当時、本拠地に「ちゅ~る」の広告を出したことでも知られている。
いなば食品グループの傘下にある「いなばペットフード」では現在、タイの工場でウエットタイプのペットフードを製造している。第1~第3工場を合わせて延べ床面積は2万5000平方メートル。さらに、2025年に3万2000平方メートルの第4工場、2029年に9000平方メートルの第5工場でも生産を始めるという。
これにより、第5工場まで全て稼働する2029年には出荷額が約1300億円に上り、ウエットタイプのペットフード工場としては世界最大規模となる。グループの従業員数は2026年4月までに現在の5500人から1万人まで増やす予定。大幅に事業を拡大し、好調な売上をさらに伸ばそうとしている。
■「ボロ家報道」でコメント発表 Xでトレンド入り
こうした明るい話題とは対照的に、いなば食品は週刊誌の報道でも関心を集めている。週刊文春が4月10日、いなば食品で今春から働く予定だった19人のうち、17人が入社を辞退したと報道。雨漏りをしている静岡市清水区由比の一軒家での共同生活を強いられたことや、募集要項よりも実際の初任給の金額が少なかったことを入社辞退の理由としている。週刊文春では一軒家が「ボロ家」と表現されている。この報道に対し、いなば食品はホームページで以下のコメントを発表した。
「この度は皆様方にマスコミ報道等にてのご心配をおかけ致し、衷心よりお詫び申し上げます。今後とも社員一同、社業に邁進してまいりますので何卒引き続きご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます」
いなば食品のホームページはアクセス集中などにより、つながりにくい状態が続いている。また、X(旧:Twitter)では「いなば食品」、「由比のボロ家報道」といった言葉がトレンド入りした。
(SHIZUOKA Life編集部)