2024/07/23
31年目の選手バスはボロボロ…清水エスパルスがクラウドファンディング 目標6000万円
■修理繰り返し試合の準備に影響 コストの負担も
サッカーJ2清水エスパルスが「エスパルス選手バスリニューアルプロジェクト2024」と銘打ったクラウドファンディングを実施している。クラブ創設時から31年間使っているチームバスは老朽化が深刻で、新しくバスを買い替える目的。目標金額は6000万円で、募集期間は9月30日までとなっている。
清水エスパルスは2018年と2020年にバスの外面を全面リニューアルした。しかし、車両自体は31年間同じで内装や車内設備は変わっていない。
クラブによると、バスは頻繁に故障が発生しており、修理を繰り返しながら運行を続けている。過去には試合前にバスが故障し、試合の準備に影響が出たこともあったという。また、座席の窓が開かない構造になっているため車内の換気が不十分で、シートベルトも劣化している。
選手バスの老朽化はクラブの財政にも影響している。エスパルスは現在、東海から関東地方の近隣エリアで開催されるアウェーの試合で新幹線と選手バスを使っている。
ただ、31年前の車両は大阪府が定めている環境基準・排ガス規制の基準を満たしていないため、大阪府内で選手バスを運行できない。そのため、環境基準に問題のないバスをチャーターし、リース費用が発生している。選手バスでの長距離移動が難しいことから新幹線移動やナイトゲーム後の宿泊も増え、コスト面の負担も大きい。
■金額に応じて様々なリターン 選手バス送迎やパルちゃん出張も
バスを購入して内装や設備が新しくなった場合、選手は安全で快適に移動できる。例えば、計画の1つとなっている車内のWi-Fi整備とコンセント設置によって、選手たちは試合前後の時間をリラックスして過ごすことができる。試合映像の活用も可能になる。
歩行者検知機能付き自動ブレーキや車間距離保持といった安全性を保つ最新鋭の機能もついているため、事故のリスクが軽減する。バスをチャーターする回数が減り、バスの運行範囲が広がることでコスト削減も期待できる。
クラウドファンディングは7月19日に始まり、現在2060万円余りが集まっている。目標金額の6000万円に届かなくても、選手バスを買い替えるという。エスパルスの山室晋也社長は次のように協力を呼びかけている。
「今後、選手たちにさらなる最高のコンディションで試合に臨んでもらうため、また快適で安全な移動環境を提供するためにリニューアルを決めました。エスパルスはサポーターとともに成長いくチームだと日々感じています。そのため、今回の選手バスリニューアルもクラウドファンディングを選択しました。資金を支援していただくだけでなく、今後バスのデザインもサポーターの皆さまとともに決めていけるよう進めていく予定です」
寄付をした人には金額に応じてグッズや権利などのリターンが用意されている。例えば3000円でバスのバスタオルまたはメッキキーホルダー、2万5000円でバスの80分の1の模型。15万円(限定25人)は2025シーズンのホーム開幕戦に現在運行している選手バスで送迎、30万円(限定5人)はパルちゃんが出張するリターンなどとなっている。
(SHIZUOKA Life編集部)