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2024/08/04

誰が悪い?議論が過熱 バス運転手が残金不足の小学生に謝罪要求 現役運転手もコメント

■遠州鉄道の運転手 小学校低学年のあごを触って強い口調で指摘

浜松市の遠州鉄道は、路線バスの運行中に不適切な接客があったとして謝罪した。ICカードの残高が不足していた小学校低学年の児童に運転手が威圧的な態度を取り、謝罪を求めたという。インターネット上では運転手の対応に対して賛否が巻き起こり、「誰が悪いのか」の議論が過熱している。

 

遠州鉄道によると、7月22日、浜松市内の路線バスに乗っていた小学校低学年の児童が降車する際、ICカードの残高が足りず運賃の支払いができなかった。バスを運転していた40代の男性運転手は児童のあごを触って、強い口調で「こっちを向いて」と言った上、威圧的な態度で謝罪と保護者への報告を要求したという。児童はバスの乗り継ぎをあきらめて、猛暑の中を歩いて帰宅した。

 

運転手の対応は児童の保護者からの連絡で発覚した。遠州鉄道では運賃が足りなかった乗客に対して、次回乗車する際に不足分の支払いを求めるマニュアルをつくっている。今回の対応はマニュアルに違反しているとして、運転手を当面の間、勤務から外す対応を取る。

浜松市内を走る遠州鉄道の路線バス(公式HPより)

■「子どもはトラウマ」、「運転手が気の毒」 意見が交錯

運転手の対応について、インターネット上では非難や同情の声が交錯している。運転手が児童に触れたことや威圧的な態度を取ったことに対し「子どもは怖かったはず。トラウマになってしまう」、「小学校低学年の子どもがICカードの残高を常に把握するのは難しい。子どもを厳しく叱っても問題を解決するとは思えない」といった意見があった。

 

一方、運転手を擁護する人もいた。運賃を支払えない乗客が増えればバスの運行が難しくなるだけに「運賃不足を許せばバス会社の経営に関わる。子どもなら大目に見てもらえると認識されると、故意で支払いを免れようとする人が出てくる可能性がある」、「運転手が気の毒。責任は保護者にある。残高不足にならないように確認するか、万が一に備えて現金を持たせるべき」、「児童がバスを乗り換えるかどうか、運転手は分からないのではないか。児童が歩いて帰宅した責任を運転手に問うのは酷」などの声があった。

 

現役の運転手を名乗る人からのコメントもあった。今回のケースでは「相手が小学生なら残高が足りなくても乗せるのが正解」とした上で、次のようにつづっている。

 

「無賃乗車はもちろん違反ですが、小学生に炎天下の中を歩かせれば熱中症のリスクや、道に迷って事故に遭う可能性もある。数百円払えない子どもの命を危険にさらすくらいなら、法令違反した方がマシです。運賃は後日、両親から払いに来てもらったり、その子が次にバスを乗る時に払ってもらったりすれば良い。そもそも残高管理は親の責任なのに、子どもに説教しても仕方ないでしょう」

 

遠州鉄道はホームページで「弊社路線バスにおける運転者の不適切な接客につきまして、弊社では真摯に受け止め、お客様には謝罪をさせていただいております。お客様、関係者の皆様におかれましては、多大なるご心配とご迷惑をお掛けしましたこと深くお詫び申し上げます。今後このようなことのないよう、再発の防止と運行における安全管理体制の向上に努めて参ります」とコメントしている。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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