2024/10/02
33歳の娘に包丁で切り付けられて負傷 静岡県を代表する企業の社長辞任に県民は?
■ヤマハ発動機の日高祥博社長 9月30日付で辞任
静岡県磐田市に本社を置くヤマハ発動機は10月1日付で、渡部克明会長が社長を兼務する人事を発表した。辞任した日高祥博社長は経営から離れて、家族のケアに専念するという。日高社長は9月中旬、娘に包丁で切り付けられてけがをしている。
2018年から社長を務めていた日高氏は9月30日付で辞任した。顧問などの要職には就かず、会社から完全に身を引く。ヤマハ発動機の公式ホームページでは辞任の理由を「一身上の都合」と掲載し、次のようにコメントしている。
「父親として家族のケアに専念したいとの考えに至り、取締役会に辞任を申し入れました。(2025年からの)次期中期経営計画策定に向けた大切な時期であり、社長である私が職を辞することはステークホルダーの皆さまにご迷惑をおかけすることにならないか大変悩みましたが、渡部会長をはじめとする経営陣に私の意思をご理解いただき、お任せすることとなりました」
■9月16日の未明 自宅で娘に切りつけられる殺人未遂事件
日高社長が「家族のケア」と表現した背景には、9月16日に起きた事件がある。午前3時頃、就寝中だった日高社長は、同居する33歳の娘に包丁で腕を切りつけられて軽傷を負った。娘は殺人未遂の疑いで緊急逮捕されている。
事件から2週間、日高社長は家族を優先して社長を退いた。この決断に対し、静岡県民からは心境を推し量る声が上がった。
「静岡県を代表する企業の経営者として悩んだはず。ご家族を優先した決断は立派」
「企業のトップである以上、職に就いている間は公の場に出る機会も多い。そのことによる企業イメージや家族への影響を考えたのではないか」
「会社員や経営者として人一倍の苦難を乗り越えてきた方とはいえ、娘に切りつけられたショックはかなり大きいと思う。会社を成長させた優秀な経営者だったので残念だが、コメントの通り家族のケアに専念してもらいたい。また、自身の心もいたわってほしい」
愛知県出身の日高社長は名古屋大学卒業後、ヤマハ発動機に入社した。MC事業本部第1事業部長や企画・財務本部長などを歴任し、2018年に社長に就任した。
(SHIZUOKA Life編集部)