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2024/10/22

一部市民の反対で計画ストップ 過去にスタバが出店辞退 静岡市が公園再整備でアンケート

市民の憩いの場となっている城北公園

■静岡市の城北公園 2年前に反対派の住民訴訟で計画一時停止

静岡市は葵区にある城北公園の再整備に向けて、アンケートを開始した。主な項目は「再整備の必要性」、「カフェや駐車場の必要性」などで、市民の意見を参考にしながら再整備計画を定めるという。城北公園の整備をめぐっては、市民の一部が計画に反対したことを受け、大手コーヒーチェーンのスターバックスが出店を辞退した経緯がある。

 

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城北公園は閑静な住宅地に位置し、静岡市内で唯一、図書館が併設されている。日本庭園や子ども広場、グラウンドなど施設が充実し、サクラをはじめとする四季折々の花も楽しめる。地元市民の憩いの場にとどまらず、広域から車で訪れる人も多い。

 

一方、問題となっているのが駐車場だ。園内に駐車場がないため休日限定で路上駐車を可能としており、子どもの急な飛び出しなど安全面に不安がある。また、利用者からはカフェや子どもが遊べる屋根付きのスペースの整備を求める声も出ている。

 

こうした状況を受け、静岡市は2021年度に民間企業のノウハウを生かした「Park-PFI制度」を導入した整備・管理を目指して動き出した。ところが、2022年5月に、市と民間事業者との整備や管理に関する協定締結の差し止めを求めた住民訴訟が提訴されたため、整備計画を一時停止した。

 

一部市民が反対した主な理由は「樹木の伐採によって景観が損なわれること」だった。市は計画を見直し、歩み寄る姿勢を見せた。木の伐採本数を減らし、出店予定だったスターバックスのドライブスルーをやめた。だが、市民団体は駐車場を公園に設ける48台のみしか認めず、スターバックス利用者向けの駐車場25台分に反対。駐車場を増やすと緑が減り、車の通行も増えて危険と訴えた。

城北公園には図書館も併設

■「役割果たせない」 “目玉”のスタバが出店辞退

結局、両者は折り合いがつかず、市民団体は住民訴訟にまで発展した。スターバックスは「出店したとしても、スターバックスが目指している地域社会の一員として、地域に貢献できる存在となり、地域や周辺住民の方々をつなぐ場としての役割を果たせないと判断した」と出店を辞退した。

 

住民訴訟は今年3月に原告の主張が棄却される判決が下された。この結果を受け、市は再整備を改めて進める方針を決めた。そして、10月21日からアンケートを開始した。

 

アンケートでは「公園種別・使われ方」、「駐車場」、「カフェなどの飲食施設」、「子育て支援」など複数の項目が設けられ、城北公園の現状と利用者からの声、それに静岡市が望ましいと考える方向性の案を示している。そして、再整備自体の賛否、駐車場やカフェの在り方などに関する設問が示されている。

 

市は11月22日までアンケートを実施する。その後、アンケート結果を踏まえた今後の方向性を報告し、住民説明会の開催などを予定している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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