2022/09/26
【台風15号】静岡市清水区の断水解消は最短で10月1日 復旧に時間がかかる「想定外の事態」
■断水は5万5000戸から6万3000戸に拡大 給水所に行列
台風15号による深刻な影響が続いている。静岡市清水区では断水は約8000戸増えて、6万3000戸に上っている。市は最短4日間で生活用水の給水ができると見込んでいるが、長引く可能性もあるという。「想定外の事態」が復旧に時間がかかる要因になっている。
台風15号が過ぎ去って丸2日が経っても、静岡市清水区の大規模な断水は解消されていない。手洗いやトイレの使用ができないため、清水区内の小中学校やこども園は休園、休校となった。同様の理由で、飲食店を中心に多くの店が休業を余儀なくされた。
生活に不可欠な水を求める人たちは、この日も給水所へ向かった。バケツやポリタンクを持って給水車の前には長い列ができていた。「いつまで断水が続くのか」。口々に漏らす住民たちは疲労を隠せない。
住民が今最も知りたいのは、「いつ断水が解消されるのか」。静岡市は、最短で重機が入ってから4日と説明している。27日に重機を入れる予定で、順調に作業が進めば10月1日には生活用水の給水が再開できるという。
■取水口に流木や瓦礫が詰まる想定外の事態 27日に重機投入
最短4日。すでに丸2日以上の断水を強いられた住民にとっては、決して短くは感じないだろう。なぜ、復旧に時間がかかるのか。原因は水源となっている興津川の取水口に木や瓦礫が大量に流れ込んだためだ。これまで災害に備えて耐震化や非常電源の設置を進めてきたが、取水口が詰まる事態は想定外だった。
この取水口は清水区の約8割の地域に水を届けている。機能を停止すれば大規模な断水は避けられないのだ。興津川から取水ができなくなり、清水区の断水する世帯は5万5000戸から6万3000戸まで増えた。
静岡市は27日、取水口に詰まった流木や瓦礫を取り除くために重機を投入する。最短4日間での断水解消は、作業が順調に進んだ場合の想定。現場に入って初めて被害状況があったり、天候が悪化したりすれば、復旧までさらに時間を要する可能性もある。
あと4日。気力を振り絞って不便な生活を送っている住民の期待が失望に変わらないことを誰もが願っている。
(SHIZUOKA Life編集部)