2024/11/01
駿河湾フェリー減便 輸送人員伸びずに苦戦続く 昨年度の評価は5点満点で3.3点
■11月1日から減便 月曜~木曜は第4便を廃止
静岡市の清水港と伊豆市の土肥港を結ぶ駿河湾フェリーが11月から減便となる。週末と繁忙期を除いて、第4便が廃止される。新型コロナウイルスの影響がなくなっても利用者数の減少に歯止めがかからず、苦境が続いている。
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駿河湾フェリーは現在、清水港と土肥港を1日4往復している。しかし、11月1日からは月曜から木曜まで第4便を廃止する。金曜から日曜と祝日は今まで通り運航する。年末年始(12月29日~1月3日)、ゴールデンウィーク(4月29日~5月5日)、お盆期間(8月11日~20日)の繁忙期も1日4便を維持する。
第4便は午後4時15分に清水港を出発して土肥港に向かい、午後5時40分に土肥港から清水港へ向かう。それぞれ1時間15分かかる。月曜から木曜の利用者は第2、3便と比べて乗用車が3分の1、バスは6分の1ほどにとどまっているという。
駿河湾フェリーは苦戦が続いている。繁忙期となる8月の輸送人員は1万685人で昨年同月から3.7%減少した。南海トラフ地震臨時情報が発令されたことで900人近いキャンセルがあったとはいえ、数字が伸びていない。
■昨年度の輸送人員は目標の71% 第三者委員会の評価は3.3点
経営改善を計画的に進めるため、第三者による「駿河湾フェリー事業評価委員会」を設置し、昨年度の評価も10月に公表している。総合評価は5点満点中3.3点で次のように講評されている。
「経営改善戦略に基づく取組は、概ね実施したと評価するものの、コロナ禍から観光需要が回復する中、輸送人員が前年度を下回り経営目標の達成率が7割に止まっていることから、成果は十分とは言えない。令和7年4月に清水港乗船場がJR清水駅前に移転することを契機として、利用拡大策に取り組み、輸送人員を飛躍させることに期待したい。一方で、輸送人員の拡大が容易ではない中、経営改善を進める手法として、不採算な運航便の見直しなど、経費縮減にも積極的に取り組まれたい」
主な評価項目では「輸送人員」が3.0点だった。目標の14万500人に対して実績は9万9800人となった。達成率が71.0%だったことから「十分とは言えない」と意見があった一方、「事業収益は増加しているため、単純に人員減少のみで評価すべきではない」との指摘もある。
「売店収入」は4.8点の高得点だった。目標の1870万円を上回る1960万円の実績を上げ「輸送人員が減少する中での目標達成は評価できる」、「飲食を充実させることで収益増が十分に見込める」と評された。
その他、「乗船客の満足度」は4.0点。「個人旅行人数」は3.0点、「団体旅行人数」は4.0点などとなっている。事業評価委員会は委員長を務める県立大学経営情報学部の大久保あかね教授を含めて5人で構成されている。
(SHIZUOKA Life編集部)