2024/11/26
静岡県内企業の今冬ボーナス “本当の金額”試算 2.9%増加と予想されるワケ
■今冬のボーナス 1人当たり40万8400円と試算
静岡経済研究所が今冬のボーナス支給額を試算した。民間企業1人当たりの支給額は40万8400円で、昨冬から2.9%増加。背景には企業業績の堅調な推移に加えて、従業員の離職を防ぐ目的もある。
静岡経済研究所の試算によると、今冬のボーナスは従業員が30人以上の企業は昨年から3.8%増加の47万7600円となった。従業員が30人未満の企業は2.7%増加の28万900円だった。ともに、前年以上の上昇となっている。
企業の規模別にボーナスの支給額を上げる理由を見ると、従業員30人以上の企業は円安の長期化を追い風に輸出型製造業で堅調な業績が見込まれるほか、対人サービスといった非製造業でも業績改善の動きがみられるという。企業業績は2024年度第1四半世紀(4~6月)、全国にある企業1社あたりの経常利益が前期(1~3月)を31.6%上回り、静岡県内の企業も輸出型製造業を中心に多くの企業が経常黒字を維持している。
一方、従業員30人未満の企業は物価高に伴って厳しい収益環境が続くものの、人手不足を加速させる従業員の離職を防ぐためにボーナスを支給したり、増額したりする事情がある。ボーナス支給者の推計が昨冬の121万2000人から124万5000人に増加したのは、中小・零細企業で新たにボーナスを支給する動きがみられたことが要因となっている。
今回の推計値はボーナスの支給が見込まれる静岡県内全ての民間労働者を対象に、労働生産性指数や名目賃金指数などボーナス支給額と相関が高いと考えられる統計指標を参考にして算出している。県内の労働組合から調査結果を得る主要企業平均支給額(年末一時金要求・妥結速報)とは異なり、中小・零細企業の実情がより反映された数字となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)